2018年07月26日

EVFセミナー報告:経済発展する中国の現状と将来〜ある中国ウオッチャーの観察

演題:経済発展する中国の現状と将来〜ある中国ウオッチャーの観察
講師:結城 隆様  中国ウォッチャー 荒井商事常勤顧問 
日時:2018年7月26日(木) 15:30〜17:30
場所:NPO法人新現役ネット 会議室
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講師略歴:
•1955年生まれ。福島県出身。一橋大学経済学部卒。
•1979年旧日本長期信用銀行入行。調査部、ロンドン支店、マーチャントバンキンググループ、パリ支店、ニューヨーク支店勤務。
•1999年ダイキン工業経営企画室、大金中国投資有限公司(北京)勤務。
•デンロコーポレーション常務執行役員を経て2013年より現職。
•現在、荒井商事の常勤顧問として新規事業開拓を担当する傍ら、東日本大震災事業者再生支援機構業務委託、柳沼プレス工業顧問を務める。
•中国ビジネス研究会会員。
•主な著書:中国市場に踏みとどまる(2009年草思社)、中国羅針盤(2009〜2010年)日経ビジネスオンライン、ジョークで読み解く省別中国人気質(2012年草思社)、その他四半期毎に中国観察レポートを発行。
•座右の銘:百年生きて、百年学べ。
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講演概要:
本年の全人代政府報告からここ数年の習政権中国の発展の実績を数値をいれて紹介された。2014年の「新常態」(景気下降、政治的乱気流)から2017年「新時代」(中華民族の偉大な復興の夢)への移行が謳われている。GDP年平均成長率7.1%、高速鉄道総延長2.5万キロなど目覚ましい発展を遂げている。北京市の地下鉄の年間利用客はなんと述べ30億人に達しているとのこと。
従来の投資+輸出による成長から消費が投資を上回る消費主導の成長に転換。その陰では消費者金融の利用も大きく伸びて、違法金利などの問題も出ている。
携帯電話普及台数は14億台、内スマホは9.7億台。スマホを使用したネット予約タクシー、自転車シェアリングなど新しいサービスが次々に登場。スマホ支払サービスが急増した背景には100元札で5%とも言われる偽札率もある。
一方、過当競争により企業の生き残りも厳しく、各種規制も追いつかない現状がある。
自動車分野ではEV市場世界No.1を目指す戦略で2020年までに新エネルギー車生産比率10%以上を目標としている。
「不動産は住むものであって投機の対象ではない」と明言し、不動産市場は本格的な調整局面に入った。
環境問題取り組みが本格化し、環境対応コストが上昇するが、逆に言えば、環境対応が企業価値を高める時代になっている。
綱紀粛正は継続し、2017年規律検査委員会調査件数127万件、うち52.7万件を立件、44万人を処分。省部級処分58名、庁局級3,300人。結果、高官専用の泰城監獄がスペース不足に。
新たに1)資産効果縮減 2)新農民工問題 3)「ミンスキーの時」(金融崩壊の危険) 4)「トゥキディデェスの罠」(パワー・ゲームの中で、軍事的な争いに発展しがちな現象)等4つのリスクが挙げられる。
日本にとっては2007年に対中貿易は対米を超えており、最も重要な隣国となっている。積極的な環境対応、旺盛な消費市場への商品供給、シェアリングビジネス等の新しいビジネスモデルへの積極的な取り組みを図るべき時にある。
(文責:深井吉男)

講演資料:中国「新時代」
posted by EVF セミナー at 17:00| セミナー紹介