2020年01月23日

EVFセミナー報告:食品ロスと必要とする人をつなぐマクジルトン・チャールズ氏20年の歩み

演題:食品ロスと必要とする人をつなぐマクジルトン・チャールズ氏20年の歩み
演題 : 「食品ロスと必要とする人をつなぐマクジルトン・チャールズ氏20年の歩み」
講師 : セカンドハーベスト・ジャパン 創業者/CEOマクジルトン・チャールズ氏
開催日時 : 2020年1月23日(木) 15:30〜17:30
開催場所 : NPO法人新現役ネット会議室
聴講者数 : 35名

1.講師紹介
講師のマクジルトン・チャールズ氏はアメリカ北西部モンタナ州の生まれで、高校卒業までの18年間は波乱に満ちたものだった。その後海軍で横須賀に駐屯→ミネソタ大学→上智大学に進学。上智大学の時に「山谷」や「隅田川沿いのホームレス」を体験する。これが講師のセカンドハーベスト・ジャパン創立の原点となった。
現在は上智大学教養学部非常勤教授(Sophia University, Faculty of Liberal Arts)

2.講演概要
現在日本での食料廃棄物は年間で1,800万トンにも達する。一方で、食べるものに困っている人が2百万人を超えている。講師はこの2つをつなぐ以下のような活動を20年間にわたり培ってきた。
(1)Harvest Central Kitchen:
寄贈された食品を調理し、生活が困窮している人々へ温かい食事を提供する活動
(2)Harvest Pantry:
個人世帯を対象に緊急食糧支援を行なう活動
(3)Food Bank:
品質には問題がなく賞味期限も残っているのに廃棄されてしまう食品を寄贈して貰い、配給先のニーズと調整しながら配給する活動
(4) Advocacy & Development:
フードバンク活動の普及と発展のための研究調査や講演、シンポジウムの開催など

2020年には、10万人に生活を支えるに十分な食べ物を配給する体制づくりを目指している。

3.講演内容
1.【フードバンク経歴】
◇ 2000年1月 : フードバンク/Food Bank Japan を設立 (連帯組織)共同代表
◇ 2002年3月11日 : セカンドハーベスト・ジャパンを設立 
◇ 2010年4月5日 : Second Harvest Asiaを設立 
◇ 2013年2月 : 公益財団法人フードバンク連盟を設立 理事長
2.東京では緊急的な支援を受けられる場がまだまだ少ない。
    ニューヨーク    : 1,100ヶ所
    サンフランシスコ  :  250ヶ所
    香港        :  160ヶ所
    東京        :  25ヶ所

3.2007年にテレビ「ガイアの夜明け」で取り上げられてから、食品を提供してくれる会社が飛躍的に増加して、今日の基礎を固めた。
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4.「ボランティア」と「無償スタッフ」の違い
ボランティアは自分の都合の良い時だけしか働かない。無償スタッフは必要な役務を無償で提供してくれる。

5.「生活困窮者を助けてあげる」のではなく、「困っている人が自立できるよう道具を貸してあげる」ことが大事である。

6.フードバンク運営の基本は食品を提供してくれる会社とも、食品を配給する相手とも対等な立場を維持することである。
・「あげる→もらう」の一方通行ではなくお互いが対等なパートナー。
・提供者とセカンドハーベストジャパンの対等な信頼関係が、セカンドハーベストジャパンと食品受給者との対等な関係につながる。

7.フードバンクの仕事のリーダーシップの過ちは、人としての適応性の課題をテクニカルな課題と間違えてとらえることである。

8.現在の課題は以下の3点が不足していることである。
    ・人材  :  People
    ・協力者 : Pertners
    ・資金  :  Philanthropy
    
4.質疑応答
  主な質疑は以下の通り。
Q.食品衛生に関する行政からの指導はあるか?
A.販売しているわけではないので行政からの指導はほとんどない。
    
Q.需要の見込み違いで提供された食品を廃棄することはないか?
A.需要と供給を計画的にマッチングさせているので廃棄することはない。

Q.食品提供者はセカンドハーベストジャパンに渡せば責任は終了か?
A.食品は提供者から預かった形であり、どこに配給したかを毎月提供者に報告している。

セミナー風景写真 :
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以上
文責 : 小栗武治

講演資料:マクジルトン チャールズ氏20年の歩み

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