2022年03月24日

EVFセミナー報告:「コロナ禍の英国事情」〜Brexitの動向、政治、経済、社会、スポーツの現状〜

演題:「コロナ禍の英国事情」〜Brexitの動向、政治、経済、社会、スポーツの現状〜 
講師:伊藤庸夫様

Web視聴開始日:2022年3月24日
講師略歴:
・サッカーの名門浦和高校卒業、当時関西サッカーの三強であった京都大学に進学、法学部にて国際法を習得。
・1966年 三菱重工業入社。社長室企画部、社長室開発部、化学プラント部、社長室海外部を歴任。同社サッカー部(日本リーグ)に所属。1980年 同社ロンドン事務所。日本サッカー協会(JFA)国際委員。1985年 東芝 International UK。1989年 TMITO Ltd.UK M.Dとして、ロンドンにてプラントコンサルタント・スポーツマネジメント事業を開始。・サッカー界においては、JFA国際委員(欧州代表)、Jリーグ発足準備委員会員、Jリーグサンフレッチェ広島海外担当強化部長・W杯用スタジアム設計建設コンペ審査員(1994年)、京都大学蹴球部 Technical Adviserdviser(2004年)、JFLチーム SAGAWA SHIGA FCのGM・JFL評議員議長(2007年)、JFAマッチコミッショナー(2010年)を歴任。新聞・雑誌記者として、各国サッカーリーグ・W杯・EURO杯や、ラグビーW杯、ウインブルドンテニス等を取材。テレビ東京・日テレ・NHK等に解説者として出演。
・英国のBath Univ、Essex Univ、London City Univ非常勤講師。筑波大学大学院 英国のスポーツと文化 非常勤講師(2003年)、びわこ成蹊スポーツ大学 スポーツマネジメント教授、淑徳大学 非常勤講師(2004年)
・東京生まれ(本籍滋賀県)で、ロンドンには1980年から延べ40年在住。訪問国は86か国にのぼる。

講演概要:
「コロナ禍の英国事情」Brexitの動向、政治、経済、社会、スポーツの現状」について伊藤庸夫様にご講演を頂きました。まず「英国の概要」に始まり、英国の一般的な国情に触れ、議会制度、国民性、教育制度、そして移民政策の外郭的な説明がありました。日本の制度とは表面的に似てはいますが本質的には全く異なることを強調しておられました。
そして演題のBrexitについてはすでに過去形となっていると指摘しておられましたが5年半にわたる議会での批准経過説明とその趣旨の解析を行い、今後の課題として以下の点につき解説いただきました。
1.北アイルランドとアイルランドの国境問題、輸出入手続き等がまだ不透明であること
2.移民難民制限を主としていた点も逆に労働者不足を招く結果であること
3.EU以外の諸外国との貿易協定の経過等

その後2020年3月から世界パンデミックになったコロナ対策について英国政府の対応、そして英国医療制度についての解説をして頂きました。特に保健省NHSと政府の働きによって、治療、ワクチン接種促進、一般国民への隔離対策(Lockdown)、罰金制度、そして休業補償制度が適時的確に行われ今年2月には全面解除した点を強調されました。
感染者数、死者数とも日本より多いが、制度設定には官民一体となった趣旨徹底がなされ、取り敢えずは収束化させたことを強調しておられました。
そして現在の問題点となっているのがウクライナ紛争ですが、この点については経済面で石油ガス価格の高騰が起こりインフレ傾向にあり国民生活を圧迫しつつある点を強調されました。
講師はスポーツ特にフットボールの専門家として活躍されており、この点にも見識を展開して頂くようにと思っておりましたが時間も少なく触れられなかったのは残念でした。
英国は往年のゆりかごから墓場の政策モットーはまだ残っており、教育、医療、老齢層の交通は無料の政策を続けており、それが因でBrexitにも拘らず難民、違法移民が移入している現実があることにも触れておられました。
小栗武治

講演資料:コロナ禍の英国事情
posted by EVF セミナー at 17:00| セミナー紹介