2018年03月22日

EVFセミナー報告:最先端技術で探る、道路構造物の欠陥

演題:「最先端技術で探る、道路構造物の欠陥」
講 師 : 株式会社テナーク代表取締役 内間 満明様
日 時 :  2018年 3月22日(木) 15:30〜17:30
場 所 :  NPO法人新現役ネット会議室

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〔講師略歴〕
・横浜生、育、在の65歳
・東京大学大学院博士課程終了(農学系研究科水産増殖学専攻) 
   農学博士号取得(東大博農第855号)
   (水産、海洋生態学研究に従事)
・株式会社パスコ (航空測量関連事業主体)
  (水陸環境系調査コンサルタント、技術開発業務等に課長、部長職にて従事)
・株式会社テナーク(高速走行式赤外線熱計測、画像解析技術開発)
  (2013年4月設立、代表取締役:設計及び建設コンサルタント分野)
・技術士(建設部門)
・本技術関連取得特許 6件、
・道路舗装専門誌発表 2編
・関連学会発表 国内(日本土木学会)10回 海外 1回

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〔講演概要〕
■赤外線熱計測とは
・すべての物質は赤外線を出している。
・赤外線には、熱い物質ほど多量の赤外線熱量を放出し、冷たいほど少量になるという特性がある。
・また熱計測可能な波長帯というのも決まっている。
■道路診断としての赤外線熱計測
・「道路診断としての赤外線熱計測」は、この特性を利用して赤外線熱量を温度変換し、各部位の相対的な温度差により、外観では見えない道路の健全部と不健全部を識別するものである。
・例えば、道路内部に空気層があれば、昼間の当該部位の表面温度は健全部より高くなり、道路内部に滞水層があれば、逆に低くなる。外気温の上昇、下降局面では当該部位と周辺部の温度差が増幅される。
・「目視観察」や「打音検査」など、構造物検査の従来技術を転換し、赤外線熱計測により内部損傷変状を検出するものである。
■高速走行式赤外線熱計測
・特徴は
1)交通規制しない
2)通常の法定速度走行、高速道路ならば高速走行するだけで
3)道路構造物の外観で見えない不健全な内部損傷変状を検出する
・熱画像、可視画像、GPS情報の同期取得システムを構築し、道路走行中に1車線幅領域の熱画像を取得する。
・熱計測用のカメラはアメリカ/FLIR(フリア)社製の超高性能冷却式赤外線サーモグラフィカメラで、このカメラにより微小な温度差の走りながらの計測が可能となっている。
・広範な領域を短期間に調査する一次スクリーニング検査、即ち健全と不健全を識別する概略検査としては、高効率、低コストであり、最先端技術である。
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■道路点検診断の必要性
・まず必要性の背景として、建設分野全体の問題である“3不足、1増問題”がある。即ち、
〇3不足
1)技術力不足
2)技術者不足
3)財源不足
〇1増
1)点検診断や補修対象の老朽構造物増加
・このシステムを開発しようと取り組んでいる目的は、「3不足1増問題」の早期解決、道路構造物の日常・定期点検診断の円滑実施、災害緊急時等の迅速対応などのためである。
■赤外線による震災影響の検出
・この方法を用いて、東日本大震災後の三陸地方の橋で、舗装路面下での層間剝離や内部滞水の発生を検知することができる。
・また地盤液状化による路面下の空隙/空洞を検知することもできる。
■今後の展望
・今後の赤外線熱計測事業の展開としては、道路管理者との連携、地方と中央の連携により、社会へ技術供与、技術移転を図っていきたい。
・またさらなる技術開発として、解析診断の自動処理化(人工知能AI開発)が必要と考えている。

〔質疑〕
講演中にも、
Q:車載カメラの高さは?
A:1車線幅4.0mほどの領域を撮影するために、現状のカメラの広角レンズではカメラの高さを3.5mとすることが必要である。
Q:同期は車で走るときもか?
A:熱画像、可視画像、GPS情報を5m走行ごとに同期取得している。なお高速を80kmで走っても、写真画像が流れない。
Q:自動で温度差が出るのか?
A:そこをビジネス化しようと考えている。カメラはミサイル迎撃用に元々は軍開発されたもので、-200度に冷やすことで雑音を除いており、微小温度差を検知できる。この高精度の検知温度差に基づき、内部損傷変状抽出の自動処理化に取組み、一部できている。なお、昼、夜それぞれに測定のための好適時間帯がある。
Q:超音波探傷にとって代わる可能性はあるのか?
A:超音波探傷は細かなデータ取得に適していて、本方法は1次スクリーニングに適している。
など活発な質疑が行われた。

より詳細な説明は講師提供の下記資料をご覧ください。

以上 文責 山田和彦

講演資料:
最先端技術で探る、道路構造物の欠陥
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2016年03月24日

EVFセミナー報告:苫小牧におけるCCS実証プロジェクトについて

EVFセミナー報告
  (演題)苫小牧におけるCCS実証プロジェクトについて


開催日: 平成28年3月24日(木) 午後3時30分〜5時30分
場所:  新現役ネット事務局会議室
講師:  佐々木 孝 氏
     日本CCS調査株式会社 
      プラント本部 プラント技術部 プラント技術グループ長

新聞にも報道されているように、日本のCCS (Carbon dioxide Capture and Storage)実証プロジェクトのCO2圧入が来る4月初めから開始される。今回は日本のCCS実証プロジェクトの先頭に立って活躍されている講師に、その最新情報を交えたCCSの話を聞くことができた。
CCSは、火力発電所や工場などで排出されるCO2(Carbon dioxide)を大気中に放散する前に捕らえて(Capture)、地中に貯留する(Storage)技術である。CO2を回収することと地中に圧入する技術が重要である。
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日本のCCS実現に向けて、2008年に電力会社、エネルギー各社、エンジニアリング会社など35社の出資により日本CCS調査株式会社が設立され、経済産業省の委託を受けて苫小牧CCS実証試験プロジェクトを進めている。講師は設立当初からこのプロジェクトに参加されている。プロジェクトは順調に、調査、準備の工程を進み此度のCO2注入の段階に至った。2020年には技術の実用化を目指している。
地球温暖化防止に関して昨秋パリで開催されたCOP21では196ヵ国により新しい対策枠組みが合意された。日本のCO2排出量削減目標は2030年度までに2013年度(排出量13.6億トン)の26%(3.5億トン)である。
IEA(国際エネルギー機関)の報告書によると、CCSは、2050年までの世界の累積CO2削減量の14%を担うことが期待されている技術である。
本プロジェクトでは、隣接する石油精製所で水素製造工程から発生するCO2を海洋汚染防止法に適う99.%以上純度に回収し、年間10万トン以上を約100〜230気圧に昇圧して陸側の2本の傾斜井で3〜4km沖合の地下1000〜3000mの地層に注入する。
CCSの2か所の注入地層は、流体を通さない泥岩層で覆われた砂岩や火山岩等隙間の多い地層である。
EOR(Enhanced Oil Recovery)や陸上型(オンショア)・海上型(オフショア)深部塩水層へのCO2貯留は既に行われているが、圧入したCO2の安全・監視(モニタリング)を含め十分な情報があるとはいえず、世界をリードする我が国の技術を確立したいとしている。特に、
・陸上から海底部の地下への斜坑を利用した注入
・CO2分離・回収するエネルギーを最小とすること
・貯留の安定性を確認し、かつ将来的にも安全を見張るモニタリングシステムの確立
に注目している。
講師らが進める新しい分離・回収プロセスに必要なエネルギーは、従来法の3分の1程度になると予想されている。
本プロジェクトは社会受容性が大事なこともあり、講演会、見学会など広報活動を広く行っていることも報告された。
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今回は話題の最新性もあり多くの参加者を集めたが、講師からCCSに関する技術を大変わかりよく話していただいて有意義なセミナーとなった。(正会員 津田俊夫)

苫小牧CCS実証試験の概要については、日本CCS調査(株)のホームページを参照してください。
www.japanccs.com/

 
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2015年07月23日

EVFセミナー「宇宙測位技術で地球を測る」

セミナー「宇宙測位技術で地球を測る」  報告(文責:三嶋 明)
1)開催日時   平成27年7月23日(木)15:30〜17:40
2)場所     新現役ネット事務局会議室
3)講師     国土交通省国土地理院測地観測センター 専門調査官 後藤 清
4)講演テーマ   「宇宙測位技術で地球を測る」
5)参加者数      29名
6)セミナー概要報告
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(1)国土地理院のご紹介
動画を使っての紹介。700人体制で、その7割がつくば市のセンター、3割が全国10か所に。
(2)VLBI(超長基線電波干渉法)
1)VLBIとは、数十億光年の彼方にある数百の準星からの電波を追尾し、その到達時刻の差を計測する技術。
2)VLBIの目的(役割)は、*地球上の位置を高精度に決定、*プレート運動の検出、*地球の姿勢を測る。
3)VLBIの新システム(VGOS):国際VLBI事業は2009年に次世代VLBI観測システムの仕様を公表。国土地理院も参画。茨城県石岡市に次世代型アンテナを設置し、2014年に観測を開始。
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(3)GEONET(GNSS連続観測システム)
1)GNSSは各国の衛星測位システムの総称で、移動体の航法支援、測量などに活用されている。
アメリカ:GPS/30――>31機へ、日本:準天頂衛星システム/1――>2018/4――>7機へ、
ロシア:GLONASS/24機、EU:Galileo/3――>2017/26機へ、この他に中国:BeiDou。
2)GEONETは、世界最大級のGNSS連続観測システムで、日本全国に約1,300点に設置されている施設「電子基準点」とデータを集約・解析する「中央局」で構成されている。
3)GEONETの目的(役割)は、*各種測量の基準点、*地殻変動の把握(任意の期間における「地震、火山活動、地滑り」等の地殻変動を把握)、*位置情報サービス(リアルタイムデータを提供することにより、情報化施工等の事業に利用)
4)マルチGNSS:新たにGalileoからの信号を受信し、測量困難地域・時間の縮小を図り、長距離基線を短時間で求めることが可能になる。
(4)SAR(合成開口レーダー)
1)SARは、人工衛星のアンテナから対象物に電波を発射し、反射された電波を観測し、対象物の大きさや表面の性質を知る技術、又電波の戻ってくる時間により対象物までの距離を測定できる。
2)地殻変動、地盤沈下、火山活動、地滑りなどの面的変動の把握に特徴がある。
3)日本のSAR衛星は、ふよう1号(1992-98)、だいち(2006-11)、現在はだいち2号(2014-)と変遷。
(5)おわりに
国土地理院は、国内外の関係機関と協力して、VLBI、GEONET、SARの解析技術の向上を図るとともに、それぞれの特徴を生かして、その情報を防災・減災の関係機関、必要とする方、一般の方にも提供している。
<後記>
講演後、40分に渡って、精度の向上の歴史、安全運転、民間の地図情報会社との契約、三角点の将来、国土地理院の組織・守備範囲、プレートの動き、マルチGNSSなど、熱心な質疑応答が続いた。「技術そのものの進歩」「国際協力」に隔世の感があり、大変興味深い講演であった。//
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2010年08月31日

8月26日 エコタウン信州茅野の環境対策への取り組みとその成果

演題:エコタウン信州茅野の環境対策への取り組みとその成果

エコタウン信州






講師:(株)エコタウン信州 専務取締役 田代育夫氏



講演要旨:

講師はスウェーデンなどで広く普及している無暖房施設に啓発され、これらの技術を取り入れた介護サービス施設「桜ハウス」を茅野市に建設した。「桜ハウス」は小規模多機能型のオール電化仕様であり、次の2つのコンセプトの基に作られた。
 1.差別化できる介護施設の建設
    ・ヒートショックのない温度が均一な空間
    ・温風ドラフトショックがなく高齢者の体の負担がない空調計画
 2.経営の長期的安定
    ・長期にわたってオペレーションできる長寿命な駆体
    ・修繕費のコストダウン
    ・光熱費ランニングコストのダウン


田代講師

これらのコンセプトを実現する「無暖房」な介護施設の仕組みの肝は、
 1.「RC(強化コンクリート)+外断熱」で室内環境を安定
    壁30cm、屋根40cmの外断熱工法により内側コンクリートの蓄冷・蓄熱効果を
最大限に利用。
 2.「高気密・高断熱建具+熱交換器」で省エネ
 3.暖房設備なしでイニシャルコスト、ランニングコストを低減
    ほとんど故障のない熱交換型換気装置(熱交換率86%)は外気0ºC、室温20ºC
の場合でも19.6ºCで外気を導入でき、1時間に1000リッターの換気が出来る。

この結果、夏は27ºC、冬は20ºC一定の室温を保つことが出来、一般的な内断熱工法に比べ93%もの冷暖房エネルギー量が削減できた。また換気量が十分に保てるため匂いの少ない快適な空間を実現できた。
講師よりさらに、これらの技術や太陽光発電装置、高効率ヒートポンプ給湯器、井水利用冷暖房システム、最適な植栽等々を広範に取り入れ平成20年6月に着工された「エコタウン信州茅野」の開発概要の紹介があった。


エコタウン1
講演終了後、聴講した医療関係者、建設関係者、不動産関係者、断熱技術関係者などなどとの活発な質疑応答があり、省エネに関する技術と実績について知識を深めることが出来た。

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2010年08月02日

7月29日 EVに関するパネルディスカッション

演題 :パネルディスカッション「来るべき電気自動車社会に向けての課題」
パネラー:東京大学大学院工学系研究科システム創生学専攻 宮田秀明教授、
     タジマモーターコーポレーション 田嶋伸博会長
     日産自動車渉外部EV充電インフラ戦略チーム 有光大氏
     EVF理事、日本エレクトライク 千葉一雄取締役
司会:  (株)ビーピ−エムアソシエイツ 深井吉男社長
日時:2010年7月29日(木)15:30〜17:30
場所:JICA地球ひろば(広尾)セミナールーム202

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飛躍的にEV普及が見込まれる中、EVの社会における使われ方と
その課題について第一線で活躍される方々の
自由なディスカッションが行われた。
冒頭、パネラーから下記のような基調報告があった。
<宮田教授>
沖縄において、親和性の高い環境と観光をビジネス面で進展させる
多数の業種、会社が集まる中で、コンサルテーションをしている。
その中でEVの利用が柱となっていて350台の日産リーフを導入する。
離島でのEV利用は成立しやすく、期待が持てる。

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<田嶋会長>
車両保有台数が余りにも大きい日本で、EVの普及を促進するには
既存の車からエンジンを降ろし、モーターとバッテリーを乗せかえる
コンバート車が非常に有効だ。
これは燃料効率面だけでなく、車体リサイクルによる省資源にも大きく寄与する。

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<有光大氏>
リーフの生産販売を控えて、社会インフラとしての充電装置の設置促進に
日々活動している。いかに安全に、使いやすく装置を設定していくかが重要で、
コンセント一つにしても規格化、標準化、法制化など今後のEV社会にとって
重要な課題が多くある。

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<千葉一雄氏>
小型の3輪EVの開発を行うとともに、
EVコンバートで降ろしたガソリンエンジンの発電利用など
ベンチャーらしい活動をしたい。

 報告後、司会の深井氏が聴講者の質問、意見を促し、
活発な意見交換が展開された。
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意見交換の内容は現行EVの評価、公共車へのEV利用の可能性、
Liバッテリーの可能性、海外でのEV生産、普及などの広範な
項目に関したものであった。

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今回のEVFセミナー聴講者は40名近くになり、
セミナー終了後の懇親会にパネラーの方も参加して聴講者の方と
引き続き熱心な話が各所で展開され、好評裏に終了した。
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2010年05月31日

EVFセミナー(5/27)の内容報告(佐藤 孝靖)

演題『ソフトコミュニケーションの時代(SCE)へ』

講師(株)アドバンスト・メディア 代表取締役会長 鈴木清幸氏

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鈴木会長は1997年にアドバンスト・メディアを設立、開発した音声認識エンジン「AmiVoice]は、使用する人の声や話し方の特徴を事前に学習することなく、不特定話者に対応できるものであり、既に携帯電話やカーナビ等我々の身近にあるものに組み込まれている。
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鈴木会長の基本コンセプトは、人間中心のソフトコミュニケーションであり、声が価値を生み出すサービス事業の実現で世界の第一線に立っておられ、その実態をセミナーの中で紹介された。
音声認識の開発の世代進展は、第一世代の単語認識(1960〜)→文章認識(1991〜)→人主体の認識(2001〜)→ユビキタス(2008〜)と進み、第五世代は2011年から、超音声認識へと進むとの見通しが示された。

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講演は終始、パソコンと携帯電話を駆使され、インターネット、パワーポイント等で音声認識の実際を見せて下さり、セミナー会場は理科の実験の授業のような活気が充満した。中でも、医療現場における、医者の音声入力によるカルテ作成の実際は圧巻だった(医学用語、数字、方言なんでもOK )。
http://www.advanced-media.co.jp/products/movielist.html


イスラエルの最先端ブランド「HyperCore]への音声認識エンジンの供給による自動音声同時通訳の実際も紹介された。


鈴木会長は、2006年アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー(EOY2006)の日本代表に選ばれ、国際的な起業家表彰制度の「WEOY2007」に日本代表として出場し、最後まで1位を争い世界にその名をとどろかせた。さらに、2008年12月には、フランス政府の支援する世界的な起業家育成機構「ワールドアントレプレナーシップフォーラム」のオフィシャルメンバーに選出され、年に一度サルコジ大統領に提言をされるとの由。

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セミナー後の懇親会でも鈴木会長を囲む輪が途切れず、大好評のセミナーでした。

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2010年04月30日

4月22日 中国地方都市の生活ごみ

タイトル:“中国地方都市における生活ゴミの処理の現状と今後の展望”
                         講演者 :(株)シルクリンク 呉俊剛、載凌
要旨:
呉夫妻は、26年前に国費留学生で日本に来られ、水産学科で海洋プランクトンの調査を勉強され、その後、環境コンサル会社に働き、日中の環境ビジネスの架け橋をされている。
今回は、中央政府的な環境方針ではなく、現地目線の観点から、出身地の海南島における生活ごみに付き、実際に見てきたものを、報告された。

呉講師
生活ごみは、全世界で4.9億トン、うち中国で1.5億トン発生し、埋立地もなくなりつつある。海口市は、30年前は人口20万人だったが、今は、177万人(2006年)に増えた。海口市のごみの収集は、夕方、リアカーを引いて、各家庭からバケツに入ったごみをリアカーに集め、それを中型車に移し、更に大型収集車に移して、ごみの埋立場に運ぶ。埋立場では、赤い服を着たごみ拾い人が、ペットボトル(資源ごみ)を集め、それを5元(75円)/150本で売って生活している人が居る。朝食のビーフンとスープで5元である。このためにその日のごみに土をかぶせられず、生ゴミから悪臭が出てしまう。

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海口市のごみ処理費は、345円/トンで、東京目黒区(12,302円/トン)の1/35である。ところが、ごみ処理場(埋立場)は満杯になりつつあり、代わりにごみ焼却発電場を作る計画が浮上してきている。これは、入札により民間企業に作らせ、運営させる方式で、政府はごみ1トンにつき600円の補助金と、電力の買い取りを行うもの。ところが、地元の住民による反対運動で、建設が必ずしも順調に進んでいない。例えば、広州市では、建設予定地の周辺価格が暴落するとして、住民が反対運動し、白紙に戻った。北京市では、建設予定地が発表されると、反対運動が起こり、政府が反対住民を連れてうまく行っている日本に見学に行った。中国では、ごみの分別収集が行われていないので、分別の習慣を教育普及させるのが大変である。中国では、自分の家の中は、ヨーロッパだが、一歩外に出るとアフリカである。従い、町を掃除する人が、どこに行っても居り、絶えず清掃している。中国は、広く多様化しているので、一言では言えず、ごみ処理の実態は場所によりかなり異なっている。
 以上 

呉セミナ2
今回の参加メンバーの中にはごみ分別にかかわってこられた方や、焼却技術関係の方もおられ、講義の後、かなり突っ込んで活発な質疑が続きました。






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2010年03月31日

EVFセミナー(3/25)バイオエタノール:国内外の現状と展望


タイトル:バイオエタノール:国内外の現状と展望
講師:(財)エネルギー総合工学研究所 山田富明


山田講師
講演概要:冒頭、NASAが1979年と2005年に撮影した北極海の氷河の写真を並べて、地球温暖化を可視化された。ついで、バイオエタノールに係わる各国の政策、先端技術の現状、コスト等々、多方面に亘る内容を、講演者が構築されたデータベースに基づいて詳細且つ緻密なお話をいただいた。以下にトピックスを要約した。
1)今は食糧原料からのバイオエタノール(第一世代燃料)が主流であり、非食糧原料からの第2世代燃料の技術開発の目処は立っているものの、まだ工業的生産規模には至っていない。
2)世界的には、1980年代初期のオイルショック以降、今日に至るまで継続的な研究開発が進められてきた。しかし、日本では、石油価格が安定した1990年頃以降約10年間は、技術開発が停滞してしまい、空白の10年を過ごしてしまった。
3)その後、NEDOバイオフューエルチャレンジ等先導技術開発が行われており、2015年以降の実用化を目指している。
4)技術開発のみならず、原料の確保、法的対応(自動車燃料に対する税制等)でも、日本は海外諸国にまだまだ遅れている。
バイオエタノール製法
5)木質原料(建設廃材も含め)は、アルコール原料となる成分を十分に含有しており、問題はセルロースを如何にうまく分解するかに掛かっている。世界で競争できる分解・発酵プロセスを日本は有している。
6)現状でのバイオエタノール変換コストは、30〜35¥/L。
 

山田セミナー
講演後、30分以上に及ぶ活発な質疑応答が行われ、参加者一同バイオエタノールに対する認識を一段と深めることが出来た。

講師ご厚意により、当日資料を掲載します
バイオエタノール資料
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2010年03月02日

第3回通常総会記念講演会(2/26)の模様 

清水和夫さん 講演 要旨
2010.2.26
講師紹介
1972年志賀高原ラリー以降ラリー10年レース20年を経て、自動車評論家になった。
90年代にブレーキやハンドルにドライバーは何を感じて、どう動かしているのか、ダイナミックな安全性をテーマに、NAVIに連載をしてきた。
 今回のトヨタのリコール問題をきっかけにして、日本の自動車産業が、量的拡大に突っ走ってきて、「志」を忘れていた膿をだしてほしい。日本の車作りはよい要素があるが、トップになれない。人間が幸になるには車を使うインフラがセットで必要になっている。
10年後、日本がこの課題を乗り越えて実現できているだろうか。

清水講師
 エネルギ問題も、WBCSD報告にあるように人も車も増えすぎてライフスタイルの変更を前提に考えねばならなくなった。たとえば上海やモスクワはバブルでたくさん何千万円の車が売れたけど、渋滞で走れない。インフラがついていかなければ幸せになれない。
WBCSDの予測で2050年90億の人口と40億台の車では、エネルギ、食料は限界状態だ。どの自動車メーカーもブランドの基本コンセプトはグリーンになる。その上でどこが魅力ある商品を提案できるだろうか。
 エネルギ密度で見るとバッテリでは車は無理がある。液体燃料をサステイナブルに作る技術と内燃エンジンを組み合わせて2050年まで改良でいくのだろう。これは政治的にはつまらないビジョンだが、電動技術は組み合わせて多様なエネルギシステムが実用化されるだろう。2010年代は多様なエンジンの時代となる。この多様性を可能にするために政治は柔軟な社会インフラを考えるべき。理想に走らず、現実にあわせて階段を上がっていくように。

聴講10
 EVについて言えば、ゾーン30Km/hの市街で500kgぐらいの車両でなければ、今のバッテリ実力では無理。充電インフラでも急速にこだわらず、200Vとか、信号機をなくすとか、社会コストを含めて実現を考えていきたい。
自動車メーカーも本音ではEVは懐疑的で2020年シェアは1−2%と予測している。
都市交通システムの使い方が勝負。
 世界の中でCO2シェアを考えれば、わずか3%の日本が国内で何をやっても効果は無い。真剣にBRICSサポートをすべきではないか。このときに大切なのは先進国目線を捨てること。現地で生きるために必要なモビリティ、エネルギをシステムとして考え出すことだろう。

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2010年02月01日

地球環境問題と日本の課題 2010.1.29

EVFセミナー(1/29)の概要紹介 (橋本 升)

タイトル:地球環境問題と日本の課題
講師:環境省環境保健部企画課化学物質審査室長 和田 篤也様



和田室長セミナー1

講演概要:
 まず日本における地域環境問題から世界の地球環境問題へ至る道のりを概観された。
 鉱害(極めて限定的な事象)から公害へ(規制行政の幕開け)、そして、酸性雨問題を経て地球温暖化問題(気候変動問題)へ。
日本の環境行政の歴史。
 次いで、地球温暖化問題についてCOP1からCOP15までの
歴史と現状につき話された。
その中で、国際協定が成立するまでの舞台裏、仕組み等につき、
演者の経験に基づいた大変に臨場感あるお話を伺った。



和田室長セミナー2

すなわち、地球環境問題解決のために国際協定が結ばれるが、
これには2段階があり、先ず包括(総論)的な枠組みを決める条約が成立し、
その後に(各論的)議定書が結ばれる。
 国際会議での条約、議定書締結に至る過程での、
各国の国益の衝突と駆け引き。
 建前のみでは相手は聞く耳を持たない。
 多くのカードを用意し、如何にうまくカードを切り、
 国益を守るか。等々。



各国の排出量


そして、今や世界は温暖化問題への対応を通じて
様々な国益を考え始めており、地球環境問題は、
国際金融・経済、エネルギー安全保障、食糧問題、
国家安全保障などと密接に関連している。
このような世界の動きの中で、「大局観」を持って
流れを見つつ、問題の「本質」をつかみ、
日本の技術力と人間力を持ってすれば、地球環境問題の
大潮流を日本の国益に大いに利するように生かすことが
出来るはずだ、とお話しを結ばれた。
聴衆一同、大きな感銘と勇気づけを頂いたセミナーであった。



和田室長セミナー3
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2009年11月24日

EVFセミナー(2009/11/19)の内容紹介

タイトル:中国の自動車産業・市場の動向

講師  :日中自動車交流協会副理事長

早稲田大学環境総合研究センター参与・客員研究員 樋口世喜夫様



中国自動車ひぐち2


講演概要:
公演内容は@中国の自動車市場、A中国政府の自動車産業政策、B電動化の状況、C中国のレアアースの動向、D中国でビジネスを行う際の注意点、など多岐にわたるものであった。中国市場での自動車販売の市場規模は2000年に約2百万台だったものが2009年には12百万台が見込まれ、10年足らずで6倍増になるなど急拡大中であり、中でも1.6リッター以下の車が57.9%を占める。政府の税制も1.6リッター以下の乗用車取得税の軽減、小排気量車の消費税の軽減、軽量化の推進、燃費規制の導入、燃料の増税などなどの諸施策により小型車と良料燃費車への誘導策が取られている。


中国自動車樋口1




政府は乗用車について1989年に「三大三小」政策を進め、1992年には「二微」政策を追加した。この政策により自動車業会を3つの全国メーカ(三大)、3つの地域メーカ(三小)、2つの軽自動車メーカ(二微)に絞り込む業界再編が進められて来た。2009年には自動車会社のさらなる再編「四大四小」政策がとられ、集約化が進められている。次第に民族系自動車メーカの販売シェアが上昇中である。

技術開発は主に大学の仕事であったが、最近では自動車メーカにも開発機能を持たせるようになり、自主開発・自主ブランドの育成に注力している。ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの最適化に加え、乗用車は電気自動車、商用車はディーゼルエンジンに重点を置いた政策がとられている。既存エンジンの技術で日・米・欧に早急に追いつくのは難しいため、世界的に同時スタートに近い電気自動車の技術開発に力を入れている。


電気自動車開発では「三縦三横」政策により、「電気自動車」、「ハイブリッド車」、「燃料電池車」の3車両タイプを縦軸に据え、この3タイプに共通の技術分野である「複数パワートレインの動力制御」、「モーターと駆動システム」、「電池とエネルギー管理」を横串にした技術開発を進めている。さらには上記の3タイプに対して燃費向上率ごとに中央政府からの補助金、関連施設の整備やメインテナンスについての地方政府からの補助金が準備されている。このように中国では電気自動車とハイブリッド車で世界のリーダーとなることを目標に活動が進められている。


これらの技術に欠かすことが出来ないレアアースの産出は中国が世界の97%を占め、主要な元素については輸出規制により外国への流出防止を図っている。



中国自動車樋口3



最後に中国でビジネスを行う際に気をつけるべき中国人と日本人の気質、慣行、考え方などの違いがかなり具体的に紹介され、注意が喚起された。日ごろ知る機会の少ない中国の自動車事情について詳しく解説頂き、さらに活発な質疑応答もあり大変有意義で興味深いセミナーであった。


中国自動車樋口4





樋口様のご厚意により、当日の資料を掲載いたします。



中国自動車動向
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2009年11月05日

EVFセミナー(10/29)の内容紹介

タイトル:地質学と環境 〜放射性廃棄物の地層処分について〜

講師:独立行政法人産業技術総合研究所 研究顧問 笹田政克 様


地層処分1

講演概要: 地球温暖化対策として、省エネルギー、自然エネルギーの
利用とともに、CO2がほとんど排出されない原子力発電がいま再び注目
されている。原子力発電の問題は、きわめて長期間にわたり強い毒性
をもつ放射性廃棄物が発生することであり、この処分は原子力発電を
行う各国に共通する問題である。世界的に、これまで技術的および
制度的な検討が行われ、最新の科学的知見にもとづき地下深部に埋設
する地層処分が、最も安全かつ現実的に可能な方法であるという結論
に至っている。
 海外では、地層処分が計画的に進められているのに対し、わが国では
現在、自治体を対象に地層処分の候補地の公募が行われているが、
候補地選定のプロセスが進んでいる場所はどこもなく、問題の難しさ
ばかりが議論される状況が続いている。
 高レベル廃棄物処分地の具備すべき地質学的条件は、廃棄物の放射
能レベルの低減期間を考えると、向こう10万年間に300m以上の隆起が
なく、また沈降・浸食が起こらないことである。そのためには、過去100万年
間安定していた地層、さらに新たな火山活動がないところを探さねばなら
ない。
このようなスケールが大きく且つ時間幅の長いプロジェクトに対し、科学
的且つ定量的に回答が出せる地質学の奥深さを垣間見せていただき、
深い感銘を受けたご講演であった。

地層処分2




笹田様のご厚意により、当日の資料を掲載いたします。

地質学と環境
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2009年10月05日

9月24日EVFセミナ 我が国のエネルギー戦略と石炭エネルギ 



タイトル:世界のエネルギー問題と地球環境問題
〜〜我が国のエネルギー戦略と石炭エネルギー〜〜
講師:産業技術総合研究所 斎藤郁夫 様

斎藤講師

講演概要:
講演内容は、1)エネルギーをめぐる状況、2)地球環境問題、京都、その後、3)我が国
のエネルギー戦略、4)石炭利用技術の新展開と多岐に亘ったも のであった。

講演会場
例えば、次のようなデータが示された。
○世界的なエネルギー動向をみたとき、2030年の総需要は2005年比で50%増加し、
その中での化石燃料比率は85% (現状とほぼ同じ)と予想されている。
○麻生前首相が提唱したわが国の温室効果ガス削減中期目標「2005年比15%削減」
案が仮に実現したとしても、世界へのインパクトは0.68%である。
○今、日本の最新の高効率発電技術を、例えば米国、中国、インドへ応用すれば、
日本の年間炭酸ガス排出量に相当する13億トンが低減できるという試算がある。
 これらから帰結されるポイントは、地球環境問題の解決には、「エネルギー利用効率の
 向上と省エネルギーが必須」であり「一つの国の問題ではなく、世界的な共同作業が
 必須」であるということである。
 また、講師のライフワークである石炭利用技術開発の最新情報も伺え、日本の技術の
 奥深さを垣間見ることも出来た。

ハイパーコール
聴講者

 膨大なデータベースを駆使され、非常にわかりやすく且つ感銘深いお話であった。
講師のご厚意で当日の資料を掲載いたします。
石炭技術ー1
石炭技術−2
石炭技術ー3
石炭技術


講演終了後環境ヴェテランズファーム NPO設立記念懇親会も開かれ、皆様和やかに懇談できました。
設立記念懇親会
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2009年08月31日

8月27日EVFセミナーの概要紹介

タイトル: 「宮古島のバイオエタノールプロジェクト」
講師: 株式会社りゅうせき 
     産業エネルギー事業本部バイオエタノールプロジェクト推進室
技師長 池田 史郎 様


宮古島エタノール2
講演概要:バイオエタノールの現状と問題点につき、多面的な視点
からデータを基に明快なお話しをしていただいた。

@地球温暖化問題とバイオエタノールの位置づけ、世界および
日本の動向


宮古島セミナ

A製造方法概論と宮古島プロジェクトの詳細[プロセスと技術的特徴、
E3実証研究事業の実態、蒸留残渣の有効利用方法と問題点
(サトウキビ畑へ肥料としての還元と、島の地下水を汚染しないこと
の二律背反課題の解決)、発酵酵母の家畜飼料としての有効利用、等々]



Bバイオエタノール混合ガソリンの問題点

Cこのプロジェクトを推進する中で遭遇したしこと(政府官庁・業界から掛けられる縛り、新規事業である故パスしなければならない多くの法規・規格の壁,税制上の問題、等々)

将に日本の縮図とでも言うべき多くの問題を一つ一つクリアーしながら技術を育んでおられる姿勢に深い感銘を受けた。


宮古島エタノール1

講演後も30分以上に渡り、幅広い観点から様々な討議が行われ、盛会裏にセミナーを終了した。
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2009年07月31日

EVFセミナー(7/30)の概要紹介

タイトル: 「環境住宅の未来像について」

講師: ミサワホーム株式会社 
    取締役常務執行役員 平田俊次様



省エネ住宅



講演概要:ミサワホームにおける具体的事例を紹介しながら、
環境問題に関わる住宅の状況とそれに対する取り組みについて講演戴いた。

平田講師
大きな柱は省エネルギーで、中でも消費電力の1/4を占める
冷暖房エネルギーを低減するための住宅の断熱化、照明のLED化などに
ついて説明戴いた。



もう一つの大きな柱として、消費エネルギーと太陽発電をバランスさせる
「ゼロエネ住宅」も推進しており、解説いただいた。
その他、興味を引いたのは住宅の周囲の樹木など住環境を改善していく
取り組みや、日本の自然観に根ざした環境への取り組みなど、
更に幅広い観点での取り組みも試みようとしていることであった。
 特に寒冷地の省エネ住宅より、蒸し暑い地域での省エネ住宅が難しいとの
ことなども説得性があった。



平田講師質問3.JPG 
講演後も30分以上に渡り、幅広い観点から様々な討議が行われ、
盛会裏にセミナーを終了した。



講師ご厚意により、講演資料の抜粋を掲載いたします。
環境住宅セミナ
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2009年06月30日

6月25日EVFセミナー報告

元日産自動車鰹、品企画室長である深井 吉男様に講師をお願いして、
旬の話題であるハイブリッド自動車の裏表を
「商品としてのハイブリッド車の価値ーバイヤーズガイドとして」
という演題で開催しました。


深井講師1
 今流行の話題だけに大勢の方のご参加を頂き、
質疑応答も熱の入ったものでした。

質疑f


 深井講師からは自動車商品企画のプロとしての見方で、
まず自動車の商品価値とは何かという切り口から始まり、
ハイブリッド車の価値は燃費が良いという経済価値もあるが、
投資回収という観点からは8万キロを走って収支トントン、
それよりも今はやりの環境対策を考えている車だから、
これに乗るとエコを自ら実践しているという満足感、
環境を真面目に考えていると人から見られるといった
エモーショナルな価値が皆さんに評価されて注文殺到、
ということではないかと言う事でした。

深井講師7
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2009年06月23日

5月28日EVF第27回セミナー報告 「価値創造する“新・農業”」


タイトル: 「価値創造する“新・農業”」
講師:三菱商事株式会社、国際戦略研究所 
課長  栗原 康剛 様

栗原様講義1.JPG


講演概要:担い手の減少によって危機的な状況にある日本国内の農業について、
 いろいろなネットワークを活用して、新しい市場を作り上げる試みを
商社の立場から実践されてきた事例を交えてご説明いただきました。

衰退する農業の悪循環を断ち切って、農業を活性化するためには、
農業を新産業として定義しなおすことも必要と考えた。

栗原様2.JPG


現場が見落としている切り口に着目し、商社の農業周辺グループ(農機、肥料、流通など)と交流しつつ検討してきた。
農業イノベーションはただ一つの解があるわけでなく、日本の社会として選択肢が
必要と考えた。たとえば健康をキーワードにした高付加価値市場の検討、
グリ−ンツーリズムとの連携、教育プログラムや異業種交流に取り組んできた。
これは、農業が提供する多様な価値に着目して、その担い手を生産から流通消費に至るネットワークやパートナーシップを強化して、新商品を創出して、
新しい農業を模索していく試みである。

DSCN1411.JPG
具体的な商品や活動のご紹介の後、質疑も活発に行われた。
農協や、農政の現状に対する意見や、流通に関する問題点、
農業人口の実態に対する疑問などかなり突っ込んだ質疑となり
非常に有意義なセミナーを持つことが出来た。

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2009年04月29日

4月23日第26回EVFセミナー報告


タイトル:日本の風力発電の現状と課題
講師:NPO法人「輝く未来の風」 原田昭夫様
講師原田様
講演概要:
風力発電に絞ったNPO活動を開始して6年の実績を基に、
地球温暖化の深刻さの認識に対する国民的合意の必要性と、
具体的な日本の風力発電の現状と課題を熱っぽく語っていただいた。

聴講者
冒頭、NPO法人「輝く未来の風」の紹介があった。
今年、長野県に第一号の風力発電装置を立ち上げるとのこと。
ただし、日本の風力発電状況は世界と較べてうまく行っているとは言えない。
DSCN講義1226.JPG
日本の風力発電設備容量は世界の2%であるが、欧米、中国、インドなどの動きは非常に活発で、今後もっと世界的な比率は下がる。
日本の平均風速が比較的弱いこともあるが、風車設置などに対する様々な規制が非常に厳しく、普及を妨げている。


更にRPS法など、電力の買取方式も買取り上限価格が低く設定されているなど、電力提供者のリスクを高めていた。
メーカーの体制も弱く、より大きく拡大していく必要が有る。
来年以降、設備に対するフィードインタリフや買取価格への補助などで一気に状況が好転することも考えられる。

質疑
約1時間半の講演のあと、30分に亘り、EVFに特有の熱心な質疑応答が展開され、非常に有意義なセミナーを持つことが出来た。


御講演の原田様のご厚意により資料を掲載いたします
風力発電
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2009年04月01日

3月26日第25回EVFセミナー報告

タイトル:「再生可能エネルギービジネスの可能性」
〜バイオガスのビジネスチャンス〜
講師:株式会社日本総合研究所 創発戦略センター 赤石和幸様


赤石様抗議1
講演概要:
講師らはポスト京都議定書に向けた地球温暖化ガスを削減する再生可能エネルギーに注目し、中でもバイオ燃料、とりわけバイオエタノール等の動脈系よりも静脈系のバイオエネルギーが日本の国情に合っているとしてバイオガスのビジネスモデルを展開しており、これらの実績と状況について講演がなされた。
バイオガスを取り上げた理由は、原料である有機廃棄物の収集ルートが確立されていることやメタン発酵菌は雑食で雑多な有機廃棄物に対応できることなどである。
メタン発酵槽、ガス精製装置、圧縮機と軽量ボンベで構成されるシステムが、地域のエネルギー・物質循環にあてはめた実証プロジェクトとしていくつか行われている。
既設のバイオガス発生源にアプローチして精製したガスをボンベに詰めてユーザーに販売するビジネスも考えている。
また、バイオガスを都市ガスの品質にあわせてネットワークに供給する事業も目指している。

赤石様講義3
引き続き質疑応答が行われた。
(Q)メタン発酵では残渣が多く発生するがどのように処理しているか?
(A)メタン発酵後の残渣は堆肥や液肥として利用する。もともと廃棄物として処理されているものを利用するシステムであるため、残渣の処理はあまり気にしていない。
(Q)休耕田への施肥にも使用したらどうか。
(残渣も含め、その地域で受け入れられる容量でなければならないので施設は大規模ではなく、中小型設備を普及させる事業との印象を持った。)
(Q)家庭用のガス価格はボンベも含めていくらを考えているか?
(A)製品バイオガスの値段については70円/m3がターゲットだが、一般家庭向けには貯蔵器・供給頻度などコストダウンのための改善点も残されている。

本講演ではこの様にシーズとニーズを掘り起こしビジネスに仕立てるやり方にも触れることができたと思う。  

今回は講師の都合により講演の開始が遅れたため、待ち時間を利用してバイオガスプラントに経験の深いEVFの橋本理事からバイオガスプラントの要点や、我が国においては大型設備の排出残渣の処分に掛かるコスト等の具体的な問題について説明があったので、講演の理解が容易となった。
バイオガスの利用についてはEVFが進めているネパールプロジェクトでも重要な課題であり今後に有益なセミナーとなったと思う。

赤石様講義2


赤石様のご厚意により 講演資料を掲載いたします
赤石様講演資料
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2009年03月03日

2月27日総会記念講演会

記念講演会の模様

岸村講師2.JPG
 講演タイトル:「太陽光発電の現状について」
講師:新エネルギー・デザイン/プロデュース
       (株)キシムラ インダストリー  代表取締役 岸村俊二氏



岸村氏講演3.JPG
 講演概要: (詳細は以下をクリックしてください。)
 岸村氏講演概要

 

 岸村様は工業デザイナとしてご自身でソーラー発電施設のデザイン、
開発、設置の事業に長年取り組んでこられ、実例を具体的にあげて
各システムの要点を説明いただきました。
スタンドアロンの外灯では新宿西口やジュネーブの国連本部のものが有名で グリーンクロスの名で海外援助にも使用されています。
国連
 

 日本のソーラーユニットは優れていますが、使用環境に合わせて
適用設計をきめ細かく行うと、信頼性の高いシステムが実現できるそうです。
現状コストでは電力価格で設備費償却に、大規模公共施設用でも5年以上
かかり、担当者任期内で成果が自分に戻ってこないため、設置意欲が上がらない
実態とのことです。
一方個人住宅では3KW200万円システムでも10万円は年間電気代節約
となることから、定期預金よりはよいという感じで30代の方の利用が増えている
そうです。もう少しのコストダウンや補助施策、長期的な使用実績の積み上げで
伸びが期待できそうです。
世界に目を転ずれば米国、欧州ともに景気対策事業でソーラーは注目され、
政策的に活発な動きがあります。

メガソーラー開発など日本は残念ながら後手になっていますが、必ずこれから数年のうちには実現されると思われます。

岸村講師6.JPG
地域の持続可能エネルギとして、ソーラーシステムは現実的な解となりうるし、
具体的なプロジェクト推進でEVFができることもありそうだと、
手ごたえを感じる充実した講演となりました。


講演後も活発な討議が続き、懇親会まで盛り上がっていました。
岸村さんを囲んで4.JPG
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