2014年12月11日

EVFセミナー報告「国際司法裁判所判決と日本の将来」

EVFセミナー(12/11)の概要報告
(奥野 政博)
演 題:国際司法裁判所判決と日本の将来
開催日:平成26年12月11日(木)午後3時30分〜5時30分
場 所:新現役ネット事務局A会議室
講 師:小松 正之 氏(アジア成長研究所 客員主席研究員)

 講師は農林水産省に入省後、エール大学大学院で経営学修士(MBA)と東京大学で農学博士の学位を授与され、1991年から2004年に国際捕鯨委員会の日本代表代理を務められ、その間に国連食糧農業機関(FAO)やインド洋マグロ委員会議長やミナミマグロ国際海洋法裁判日本代表団員など国際的な捕鯨や水産問題で大活躍され、最近まで政策研究大学院大学で途上国公務員らに理論に基づく大局観と体験に基づく実践的なリーダーシップとネゴシエーションなどを教えていました。
 今回は2014年3月に判決が下った南極海捕鯨に関する国際司法裁判所(ICJ)の判決敗訴要因と今後、日本の取るべき方向について判り易い図表を交えて時間一杯お話しして頂きました。

講演概要:
 今回の判決内容に入る前に、先ず初めに「世界に分布する鯨類とその資源」について図表を用いて説明して頂いた。クジラは1種類ではなく国際捕鯨取締条約の分類表で定められた「大型鯨類」約13種と条約の対象外の「小型鯨類」約70種に分けられ、小型鯨類は殆どがイルカで、大型鯨類はシロナガスクジラ、ナガスクジラ、ホッキョククジラ、イワシクジラ、マッコウクジラやミンククジラなどであること、資源が枯渇、悪化しているのはシロナガスクジラ、ホッキョククジラと一部悪化しているコククジラで、ナガスクジラ、マッコウクジラやミンククジラの資源は健全とのことで、科学的根拠では捕鯨を再開するに何の問題もないと言えるとのこと。
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 体長8mのミンククジラが大型鯨類に分類され、体長10mのツチクジラが小型鯨類に分類されている理由を本日の参加者に問われたが誰も答えられなかった。答えは、国際捕鯨取締条約で捕鯨の対象を大型鯨類としたもので、1949年に条約が制定された時に日本の房総半島や伊豆諸島にしか生息しないツチクジラは日本から専門家が参加していなかったので見落としただけとのことでした。
 またクジラとイルカの違いを皆に問われたがやはり誰も答えられなかった。答えは成体の体長4m以下がイルカとのこと。
 次いで「日本人と鯨類との長い関わり」について伊達藩の学者・大槻清準が記した捕鯨図説「鯨史稿」(文化5年(1808年))で近世捕鯨の繁栄例として平戸沖の鯨組と網取り式捕鯨の様子や江戸時代の捕鯨としてツチクジラのタレとして知られる安房勝山(房総)、ナガスクジラやザトウクジラを捕獲していた伊根(京都府)、日本の集団的職業捕鯨発祥地として知られている太地から室戸、長崎、長門へと続き、記録として残っているのは1604年の太地が最初で、江戸時代に西日本で捕獲された鯨肉が加工され九州、大阪、一部東京へ食文化として食べられ、その捕獲と加工技術を継承してその後南氷洋へ出て行ったとのこと。これに反し西洋の捕鯨は鯨油とせいぜいコルセットの骨として利用したため8割が海に捨てられ、乱獲につながったそうです。
 本題の判決内容の理解促進のため、先ず商業捕鯨モラトリウム(一時停止)は国際捕鯨取締条約第5条(商業捕鯨)に定めた捕獲枠やサンクチュアリー(保護区域)について科学的根拠に基づくべきとする条項に違反している事を生息データから説明された。
 今回の裁判の対象となった第2期南極海鯨類捕獲調査事業は、1987年から2005年に実施された第1期捕獲調査の調査結果を下に日本と世界の最高水準の鯨類科学者の英知を結集して2年以上の歳月を費やして作成され、2005年から始まった。南氷洋の鯨類資源の生態系のモニターや鯨種間の競合の解明などを目的とする裁判で日本政府代表団は調査計画よりシーシェパードの妨害が始まる以前から捕獲数を減らした科学的根拠を問われても的確な説明もできず、妨害の所為とした対応の不味さ(むしろ妨害を排除する方策や原計画を実行できないなら計画修正をすべき)を指摘された。
 もう一つの調査捕鯨の現状として北西太平洋鯨類捕獲調査の調査海域と調査目的(鯨類の摂餌生態の解明、DNA分析による系統群構造の解明、環境変動が鯨類に及ぼす影響の解明)と調査実態を図表と写真を交えて説明された。特にミンククジラの餌生物として胃袋にいたオキアミ、カタクチイワシ、サンマ、スケトウダラやスルメイカの写真を下にそれらの摂餌生態の実態や日本周辺での餌生物の漁獲減少と鯨類資源の増加などキチンとした調査分析と仮説検証の大切さを教えて頂いた。
 更に裁判での判決内容を理解する為に欠かせない「国際捕鯨取締条約」、特に第5条(商業捕鯨)第1項で捕獲枠の設定が、第2項でこれらの設定は科学的根拠に基くべき(そうでない場合は違法)と、第3項では第1項への異議申し立てができると定められていること、また捕鯨国であるノルウェイとアイスランドが商業捕鯨のモラトリウム(一時停止)に異議申し立てしていて、日本も一時異議申し立てしていたが水産業界の目先の利益のため撤回した(商業捕鯨はできない)背景など説明して頂いた。第8条(科学捕鯨(調査捕鯨))第1項に他の条項(第5条:商業捕鯨)に係らず科学目的なら許可を締結国(=日本)は発給でき、第2項で副産物(=鯨肉)は加工して処理する義務を課せられているので、一部外国から日本は調査捕鯨で捕獲した鯨肉を国内で販売していると批判されているが、主産物は科学的データで、鯨肉は第2項でいう副産物なので正当な義務であると日本は主張すべきと指摘され、鯨肉大好きの小生にとって心強い条項であると理解出来た。
 この条約には商業捕鯨の漁獲枠を具体的に決めた付表があり、「商業捕鯨モラトリウム(一時停止)」条項である第10(e)項は、1990年までにゼロ以外(=商業捕鯨OK)の捕獲枠設定を検討することになっていたが24年を経過しても未だ設定されず、日本は科学的根拠に基づかない捕獲枠の設定は第5条第2項に反すると意見を言い続けるべきとも指摘された。
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 ここまで約1時間かけて基礎知識を身に着けた上で、国際司法裁判所(ICJ)の判決内容について解説して頂いた。
(1)ICJは全会一致で南極海捕鯨に関する訴訟(オーストラリアが訴え日本が被告、ニュージーランドが介入)に管轄権があると認めた。
※オーストラリアはもともと、自国の領土・領海(200海里EEZも主張)の紛争はICJに裁判の管轄権がない。
     これを引用し日本は、日本の調査捕鯨はオーストラリアの海里内で実施しているのでICJの裁判とはならないとの主張を展開したが、ICJは世界の大勢はノンクレーマント(南極大陸や200カイリの領有権を主張せず、他国の主張も認めない)であることを根拠に日本の主張を却下した。見事、作戦失敗だった。
(2)日本の南極海第2期捕鯨調査(JARPAU)が取締条約第8条1項に該当しない。
    ※目的は良い、デザインも特段問題ないがそれらに基づく十分なサンプルを取らず、目的を達成できないので科学目的の調査捕鯨ではない、そして原住民生存捕鯨でもないので商業捕鯨であるのは議論の余地なし(後段のICJの判断が拙速で説得力が全くない)と判定された。
(3)ARPAUが条約付表第10(e)、10(d)と7(b)項に反する。
    ※第2期調査は十分なサンプルも取らず調査捕鯨でなく、それは商業捕鯨と解されるので商業捕鯨モラトリウムが適用されると判定された。このことにも商業捕鯨のモラトリウムが、資源が健全な状況で、国際法に違反するという反論をしていない日本政府の対応が問題である。
(4)ICJは、日本政府がJARPAUの捕獲調査の許可を取り消し、この調査計画に対し今後いかなる許可もしてはならないと決定した。
とのことだが、(2)と(3)について何ら反論していないことと、それ以前にノルウェイとアイスランドの商業捕鯨および北半球の日本の調査捕鯨を提訴しないオーストラリアの訴訟の狙いを読み間違い、その後の改善策も講じない日本政府の対応を指摘された。
 これら問題の解決には交渉とリーダーシップが重要で、そのためには年令如何にかかわらず、情熱とむしろ経験が必要と私たちを含めて激を飛ばされた。
 ここまで1時間半たっぷりのご講演を頂き、本日ご用意された「日本の水産業の将来」まで辿り着けなかったことが残念でした。
 この後の質問に対しても情熱溢れる回答を頂きました。
 先ず、役人のレベルについて、家庭を含めて教育に問題があると思うが打つ手は?
に対して、短期的手段としては打つ手はないとのこと。長期的に、国や地域のために貢献することの重要性を教え込むこと。米国の政府やアイビーリーグ大学では教えている。
 次いで、農水省の中で捕鯨に対する優先度は?所内の空気は?との質問に対して、今の若い役人は、経験もなく敢えて難しい仕事はできないし、挑戦したくないのが実情と嘆いておられた。
 更に、数量的にも科学的にも鯨は一杯いるとのお話しであったが、反捕鯨の人たちは鯨は賢い動物だとか可哀そうだからと言うようなメンタルな話しをするが…との質問には、   正しいことを正しいと主張せずに、長い間に鯨は絶滅危機と宣伝され、間違った情報操作が定着してしまった。反捕鯨国は畜肉生産大国であることに加えて、アメリカやオーストラリアを見て感じることは日本が南氷洋に居られることが、日本ほど緻密なデータを持っている国はないから嫌だと思うと回答された。
 次いで、国際問題に自信がなく、事なかれ主義に陥り戦略的に考えて上手く反論するように変わる必要があると思うが、敵は外務省にありと啓蒙活動が必要ではと思っているとの意見に対して、米国務省の役人はアフガニスタンやリビアなどで殉死している。リスクを負って政治家へ助言や行動している。モラルが高い。役人の差も大きいとのこと。
 最後のまとめとして、ICJの判決を忠実に読むと、今の第2期の南極海調査計画は立派だと言っているので、自信を持って鯨を取りに行けば良い。付表の第10(e)項が諸悪の根源で、これを廃止する裁判を起こせ。自分なら日本の200海里以内で鯨を持続的に捕獲する計画を作成し、米国など反捕鯨国と交渉する。気に入らない国なら止めろと言う裁判を起こすだろう。どちらが勝つか見ものだ。起こさないなら捕鯨をすればよいと小松先生が言われ、出席者一同の大喝采の中、2時間のご講演を終えました。
 以上

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2014年11月27日

EVFセミナー報告「いま、原子力発電を考える―地球温暖化の現状を踏まえて―」

平成26年11月27日
EVFセミナー報告
演題:  いま、原子力発電を考える
――地球温暖化の現状を踏まえて――
開催日: 平成26年11月27日(木) 午後3時30分〜5時30分
場所:  新現役ネット事務局会議室
講師:  木元 教子 氏
      元内閣府原子力委員会委員、評論家
講師は、テレビ等を通じて我々新現役にはあまりにも有名な方であるが、1998年から2006年まで9年間にわたり原子力委員会委員をつとめられた。ジャーナリスト出身のことから「広聴」に力を入れたという。2011年の東日本大震災・福島原発事故後に強まった脱原子力の動きに対して、日本の総合的なエネルギー環境を踏まえて原子力発電に取り組まなければならない考えで活動されている。
今回はこの考えの背景になったことなどをお話しいただいたのだが、何よりも想像する年齢を感じさせない元気の良さにEVFのベテランズも圧倒された会であった。
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講演概要:
演題に対する講師の思いをスライドや冊子(「暮らしの中のエネルギー」)を交えて話されたが次のようにまとめる。
・まずは、地球温暖化を止めなければならないということである。このためにCO2を削減しなければならない。世界的な人口増、開発途上国のエネルギー使用量の増大、そして現在のわれわれの生活レベルを極端には落とせないことからエネルギー使用量を減らすことに無理がある。また再生可能エネルギー・新エネルギーの利用推進だけでは需要に間に合わない。現段階では、CO2削減は原子力発電に頼らざるを得ない。
講師も新エネルギー雪氷冷熱利用のために、NPO法人雪氷環境プロジェクトの会長として活動されているが、これに賛同する参加者の間で「氷室」に盛り上りがあった。
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・さらに、日本の置かれている位置である。原発を外せば、石油・石炭・LNGのエネルギーの自給率があまりにも小さい。外貨流失が3.6兆円である。また、他国から電線を繋ぎ、電力の融通を受けることのできない島国である。
・原子力発電の可能性はある。安定・安全・安心に向けて、国も電力も安全対策・安全施策を進めている。使用済み核燃料に対しての核燃料リサイクルは実現できる。
・何事にも絶対間違いがない、絶対に安全だとは言えない。原子力発電も同じである。その意味で、ただ単純に脱原発で済むことでもない。国は国民の生活を守り、国力の維持を考えながら、真実を隠さず知らせ、本音で話し合うべきである。
参加者の中からは、「原発を必要としないエネルギー供給力の中で生活はできる」とか「使用済み核燃料の始末ができるようになるまで原発はやめておいた方が良い」などいくつかの意見があったが、限られた時間内で話は済まない。
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安全を最大に考慮しても、自然災害をはじめ、予想されなかった危険が発生する事を、今回の事故で明らかになり、原発は信頼を失ったのだが、国は原発の仕組みを、改めて分かりやすく提示し、国民との忌憚のない話し合いの中から、エネルギー問題解決の適確な道が開かれるという講師の姿勢を感じたセミナーであった。(津田俊夫)
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2014年10月23日

EVFセミナー「国際都市、川崎を御存知ですか?」

EVFセミナー(2014/10/23)の概要報告(三嶋 明)

開催日時 : 平成26年10月23日(木)14:30〜17:30(質疑応答含む)
演題 : 国際環境都市、川崎をご存知ですか?
場所 : 新現役ネット事務局会議室
講師 : 川崎市国際環境施策担当コーディネータ― 牧 葉子氏(前川崎市環境総合研究所所長)     <<川崎市に軸足を置きながら、国レベルの政策委員会などにもご参加>
概要 : アジアの新興国では、急激な工業化に伴う深刻な公害問題を抱えており、経済と環境を両立させたモデルとして川崎が注目されています。 今回は、川崎市自身がその注目の自覚のもとに、環境技術による国際貢献をすすめるとともに、地域の産業活性化を行っている状況を具体的に詳しくご説明頂きました。特に、質疑応答の中で、川崎市の成功は行政と民間の協調、そしてその市長を選んだ川崎市民が主要因との指摘は、国際比較という意味でも意義深いものでした。
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     国際環境都市、川崎をご存知ですか?

「変われば変わる」 ―日本も昔は―
*公害の町から環境先進都市へ、現在では川崎市から富士山が見える。
*キングスカイフロント:市内殿町における国際戦略拠点、Sky Frontは、対岸の羽田空港に面している事より。
*川崎生命科学・環境研究センター(LiSE)=ライズ・・・・<EVF見学会で、明年1月に訪問予定>
 LiSEに取り入れられた環境技術:共用部のLED証明、太陽熱利用給湯、地中熱空調利用、太陽光発電等。

「ものごとには始まりがある」 ―振り返って―
*いすゞ自動車の例:2001/11/19と2003/7/30の例  

「かわさきエコツアー」 ―自然環境だけがエコツアーでなく―
*川崎エネルギ―パーク:川崎市の環境技術をショーケース化し、国内外に情報発信。次世代エネルギーパーク。
*川崎臨海部のエネルギー関連施設:メガソーラー・2011年に運転開始、浮島及び扇島陽光発電所。
*かわさきエコ暮らし未来館:2011年開館。地球温暖化/再生可能エネルギー/資源循環が学習できる。
*焼却灰埋立地の上の大規模太陽光発電所:埋立地なので掘ってはいけない事などから、埋立地の有効利用として、今後国内で脚光をあびるのでは。

「デカップリング」 
*経済発展と環境のデカップリング(非連動)
*川崎市のGDPは1990年頃よりほぼ横這い、又人口も増加しているのに、ごみの量は‘90をピークに減少。
*環境技術を活かした中国の瀋陽市との連携(環境5機関の協力に関する覚書)。
*アジア太平洋エコビジネスフォーラム。
*PM2、5の監視体制と成分分析調査。
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「リスクに備えて」 −川崎市知的財産戦略―  ―かわさき知的財産スクール―
*国連グローバルコンパクト及びかわさきコンパクト:国際連合が提唱する企業・団体の自主行動原則で、川崎市は都市として日本で初めてこのプログラムに参加。
*法的根拠をいつも念頭に:国際協力・貢献は、地域のため、市民のためになっていることを念頭に。

「エコタウン思潮」
*川崎エコタウン:背景には、川崎市の産業構造の変換・地域経済の活性化、臨海工業地帯の再生、ごみ非常事態宣言などがあり、1997年に通産大臣からエコタウン地域の承認を受ける。
*先進的なリサイクル施設の集積:半径約1、5kmに主要企業のリサイクル施設。
*影響を与えた人:Gunter Pauli氏(ゼロエミッション構想)、吉川弘之氏(元東大総長、産総研理事長)
*国レベルでは、経産省と環境省のエコタウンがあり、地方自治体が策定するエコタウンを共同承認する。
*川崎市の優位性は、幅広い産業構造、工業専用地域、大消費地(環境について高い市民意識)。

「臨海部の動き」―今から見てもダイナミックだった―
◎危機意識の共有、◎低未利用地の減少(前年比較、横浜市との比較)、◎川崎臨海部再生リエゾン研究会(学識経験者、企業で構成され、21世紀型の新たな産業立地促進と新たな街作りを推進)、◎かわさき逆工場ネットワーク(臨海部製造業は環境負荷がほぼゼロの産業に変身するとともに、その産業競争力を飛躍的に高める)、◎都市再生緊急整備地域、◎構造改革特区、◎川崎臨海部再生プログラム(産業再生・環境再生・都市再生)、◎アジア環境テクノハブ、◎都市のサスティナビリティの実現、◎国際連携によるエコタウンコンセプト移転の取組(2009年、瀋陽市と協定)、国際環境計画UNEPとの連携、◎国際貢献と地域振興(環境技術での貢献)、
◎UNEP連携(国際的に、環境は川崎に行けばわかる、ビジネスになる)

川崎の果たすべき役割:
--川崎市は50年間かけて順次培った環境技術が産業発展の負の部分に対応できたが、これからの新興国は大変。
--川崎市は、経済援助はしないが、ビジネスベースを基本に川崎の経験を海外に移転し、地球規模の環境問題の解決に貢献する。

主な質疑応答
質:行政と民間のありかたについて?
答:川崎の成功例は、行政と民間が一緒に考え始めたことから始まった。

質:国際環境都市川崎のコアな部分の推進者は?
答:市長のリーダーシップと、それを支えた市民(選挙民)。川崎の次のステップは、文化都市への推進。
以上

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2014年09月26日

EVF創立7周年記念セミナー「持続可能な海」

    ―資源の枯渇を防ぐための海洋利用の国際ルールはどうなるのか―
演題;  「公海の持続可能なガバナンスを目指して」
         〜問題解決のための一つの取り組みに参加して〜
開催日時:  平成26年9月26日(金) 14:30〜16:30
場所:  東京都品川区総合区民会館「きゅりあん」大会議室
講師:  明治大学国際総合研究所特任教授 川口順子氏
     略歴;元外務大臣、元環境大臣、元通産省大臣官房審議官、元在米日本大使館公使
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今回は、国際政治、環境問題に精通され現在「世界海洋委員会」の委員を務められる川口先生から、海洋とくに公海が直面する魚類をはじめとする水産資源の枯渇、遺伝子資源の喪失、ごみによる汚染等々の諸問題について解説して頂きました。さらにこのままで推移すると将来後戻りできない状況にあるので、これを防ぐための「世界海洋委員会」から国連に提言された内容や今後の活動について詳しくご説明頂きました。また質疑応答では会場からの活発な意見や質問に対し、川口先生から非常に明快かつ一貫性のある回答をして頂きました。
<講演概要>
1.世界海洋委員会とは
 海洋の悪化に歯止めをかけ海洋の完全なる健全性と生産性を取り戻すため、国際的なリーダーをメンバーとする独立団体で2013年2月に設立された。先進国、途上国からビジネスリーダー、開発の専門家、大臣級を含む政治家等がバランス良く参集。公海が直面する以下の重要問題に対処するために政治的、技術的に可能な短期、中期、長期の勧告を策定することが使命。
 1)過剰漁獲 
 2)生息環境と生物多様性の喪失
 3)有効な管理と強制力の不備
 4)公海ガバナンスの不備
同委員会は今年6月24日に「劣化から再生へ~世界の海洋レスキューパッケージ~」と言う報告書を発表し、精力的にフォローアップ活動を進めている。世界各地で要所に説明、「海洋の保護の交渉を2014年9月から始まる国連総会の会期中に始めるべきである」との請願募集なども行なっている。

2.人類にとって海とは何か?
  海洋は以下の観点から人類にとって非常に大切な存在。
 1)海洋漁業と養殖は数百万人もの人々に生活手段を提供し、数十億人もの人たちに食料を提供。
 2)海は地球の生態系に大きな役割を果たし地球上のすべての生命を支える。人間の健康、社会、経済を直接的に支えるサービスと資源を提供。
 3)海は森よりはるかに大きなCO2吸収源。森の9億炭素トン/年に対し、海は22億炭素トン/年を吸収する。また人間が呼吸する酸素のほぼ1/2を生産し、排出するCO2のほぼ1/4以上を吸収。
 4)温室効果ガスによって地球上に蓄えられた熱の90%以上が海洋に貯蔵される。
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3.問題の認識
 現在の海洋は以下のような問題に直面している。
 1)60年後には日本近海では造礁サンゴが全滅する可能性がある。海水温度が上昇するとサンゴが白化して棲めなくなるためサンゴ虫は北に逃げようとするが、北の海は冷たいためCO2の吸収が盛んであり海水が酸性化してサンゴが棲息できない。
 2)海洋資源への増大する需要
  ・世界人口の増大のため海洋漁業の漁獲量は1900年には3百万トンだったが現在では80百万トン。すでに満限までの漁獲、ないしは枯渇に瀕している。再生産ができない状況まで獲られている。
  ・ニシン、イワシ、サバ等、大型魚類の餌になる魚種が減少し食物連鎖への影響が大。
  ・原油、天然ガス、鉱物資源への需要が増大。海洋汚染発生の可能性も大。
  ・遺伝資源の重要性に対する認識と需要の高まり。生物多様性に関する名古屋議定書(1992年)ができたが批准する国が少なく発効できなかった。しかしこの10月に発効することになり前進した。
 3)技術の進歩
  ・海洋法条約ができた1980年代には想定していなかった「船舶の性能向上+冷凍技術の進歩」等による漁業の大規模商業化。
  ・原油採掘、分子生物学等々の技術進歩により海洋からの資源採取の増大。
 4)漁業資源の減少
  ・漁船の増加、技術の進歩による最先端の集魚装置の搭載や漁船の大型化、政府補助金等々に起因する過剰な漁獲能力の現出、等により漁業資源が減少。
  ・IUU(違法、無報告、無規制)漁業の横行などにより漁業資源が減少。
  ・クロマグロの資源管理の失敗も漁業資源減少の一因。
 5) 気候変動、生物多様性の減少と生息地の破壊
  ・海水酸性化、海水温上昇、貧酸素化が主な要因。
  ・肥料、殺虫剤、下水、ごみ、プラスティック、放射性物質、石油などによる陸由来の海洋汚染。
  ・海水温度の低い極域でCO2吸収が進み、海水の酸性化が進行。
 6) 脆弱な公海ガバナンス
  ・海洋の環境問題は問題点があるかどうか見えない場合が多い。分かった時では遅いため「エコシステムアプローチ」、「予防的アプローチ」、「汚染者負担」の原則が肝要だが、取り入れられていない。
  ・海洋は総合的に管理されておらず、漁業、貿易、海底採掘の管理は別々。国連でも担当している部署がバラバラで、マネージする組織が分断されており組織的欠陥がある。
  ・現状は「旗国主義」であるため、他国の船には規則を守らせる権限がなく取り締まりもできない。寄港国措置協定は寄港国に権限を与えようとする方向への動き。
  ・まじめに取り組んできた先進国に加えて、ルール策定時の想定されていなかった発展途上国が進出し始めており、主役が変わってきた。今回の国連総会会期期間に実態に合うように海洋法条約を見直すか否かの決定をしなければならない。
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4.問題意識の特徴
 1)海を総合的に管理する必要のある一つのシステムとしてとらえるべき。
 2)海洋が窮状にあるのは公海のガバナンスが不適切であるのが原因。人類の生存にかかわる問題。
 3)現状は、技術や資金を持つ者の自由になっており、次世代や発展途上国の権利が守られておらず、衡平性に欠ける。
 4)国連海洋法条約で加えられた「公海の自由の原則に一定の制約を」 との流れをさらに推し進める等。

5.回復の推進方法 
現状の問題を解決し、海洋を回復するためには次のような方策を取らなくてはならない。
 1)海洋の持続可能な詳細目標や明確な指標を策定し、開発目標の中心に据える。
 2)ケアと回復を促進するための公海の統治を実現する。
 3)政府の補助金を廃止し、乱獲ができないようにする。
 4)違法、無報告、無規制な漁業に対し、海、港、市場を遮断する。
 5)市場(スーパーマーケット、サプライチェーン)、水族館、などにおいて、魚のさまざまな状況に関する
情報を消費者に知らせるための啓蒙システムを導入する。
 6)プラスティック類の海洋への流入を阻止する。
 7)海底石油・ガスの採掘に対して、法的拘束力のある国際安全基準と法的責任を導入する。
 8)「世界海洋アカウンタビリティ委員会」を設置し、健全な海洋状況をモニタリングする。
 9)公海再生ゾーンを創設し、5年間十分な行動がとられなければ産業漁業を禁止する。
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6.最後に
   川口先生から本日の聴講生に対して以下の様なご期待が示された。
 1)海に多くの問題があるにもかかわらず現在は過小に取り扱われている。このまま放っておくと生態系の変化等から地球が守られなくなることを認識して欲しい。
 2)大きな仕組みで世論喚起をしようと世界が動いていることを知って欲しい。
 3)海洋保全のために消費者一人一人がやるべきことが沢山あり、是非とも実践してほしい。
                                                               以上 (文責:小栗武治)

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2014年08月28日

EVFセミナー「地球温暖化の現状と異常気象について」

演 題 ;地球温暖化の現状と異常気象について
    〜異常気象の経年変化と将来予測〜
開催日時  平成26年8月28日(木)
場 所   新現役ネット事務局会議室
講 師   東京管区気象台 気象防災部 地球環境・海洋課
      地球温暖化情報官 戸川祐樹様

今回のセミナーでは、地球環境予測情報第8巻(2013年)などをベースに地球温暖化について最新の知見を分かりやすく非常にためになる話を紹介していただきました。

講演概要
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1.IPCC(気候変動に関する政府間パネル)とは 
 国連の下で、各国の専門家が参加して気象変動についての最新の科学的知見を取りまとめている。
 3つの作業部会があり、日本では第1作業部会の自然科学的根拠は気象庁、第2作業部会の影響・適応脆弱性は環境省、第3作業部会の気候変動の緩和は経済産業省がそれぞれおもな担当をしている。
2.IPCCとUNFCC(気候変動に関する国際連合枠組条約)の関係は
 IPCCは世界中の研究成果の取りまとめを行い、UNFCCでは温暖化対策を話し合っている。
3.東京都の気候の将来変化
 日本の年平均気温は過去100年あたり1.14℃のペースで上昇しているが、東京(大手町)の年平均気温は2.5℃の割合で上昇している。東京では21世紀末は今より、約3℃上昇すると予測されている。これは、東京の気温が屋久島になるくらいの変化である。また真夏日日数が倍以上に増え約70日になる。熱帯夜である日最低気温25℃以上の日が約50日になる。東京では最高気温が33℃を超えると熱中症が急増する。
 21世紀には、1時間降水量50mm以上の短期間強雨の発生頻度が増加するが、雨の降らない日も増加する。
4.どうして詳しい予測ができたか
スーパーコンピュータ使って、格子間隔5kmの細かさにすることにより、日本列島の細かな地形の影響を従来のモデルより現実に近い形に計算に反映させている。高解像度な気候モデルとしては世界最高水準である。
 気象庁による温室効果ガス等の観測には、僻地での地上観測の他に、観測船で観測を行う航海コースと航空機で観測を行う飛行コースがある。
 温暖化予測の方法はまず気候システムを理解しコンビュ―タ上に地球を再現して、時計を進め日々の天気予報と同じ原理で計算結果を出す。
5.気候変動に関するIPCCまとめ
二酸化炭素は人間活動により産業革命以降に40%増加して、現在は約390ppmで過去80万年間において前例のない水準になっている。
 二酸化炭素等の増加で、地球から宇宙に出てゆくエネルギーが減少し、収支のバランスが崩れ地球温暖化は進む。地球温暖化は大気だけではなく、蓄積されたエネルギーの90%以上は海洋へ。上部に加え海洋深層でも水温上昇している。地球温暖化で、21世紀末頃に世界海面水位が26cm〜82cm位上昇し高潮等へのリスクが増加する。第4次評価報告書(2013年)での評価によると、気候システムの温暖化には疑う余地がなく、人間による影響が20世紀半ば以降に観測された温暖化の支配的要因であつた可能性が極めて高い。最新の研究を踏まえ、確度が着実に上がってきた。
6.地球温暖化の将来
今後の我々の行動により、将来の気温の上昇幅は変わってくる。深刻な影響を避けるためには、産業革命以降の気温上昇を+2℃以内に抑えることを目指す国際合意が出されている。地球温暖化がどうなるかは、今後の我々の行動で決まる。根治療法としては、温室効果ガスの排出を抑制し、対症療法としては自然や人間社会の在り方を調整する方法がある。気象庁は、科学的根拠に基づき、判断に必要な観測や予測の情報を提供していく。
7.質疑
(問)過去に氷河期から間氷期へ移行した際や、縄文時代などはかなり早く温暖化が進行したこともあった。現在の問題となっている温暖化も同じと考えられないのか?
(答)過去の数千年で数℃というペースと比べると、現状はオーダーが1桁大きい速さになっている。生物が気候変動に伴って生息域を変える(温暖化で北上する)場合、植物などは移動可能なスピードが遅いので、温暖化のペースが速すぎると追随できず絶滅のおそれが増す。スピードの違いというのは無視できない。また、気候変動が人間活動に影響を与えるということを考えると、温暖化は地球環境だけに留まらない問題である。
(問)第8巻の結果には温暖化対策の有無は考慮されているのか?
(答)気象庁による地球温暖化予測情報 第8巻は、排出シナリオはSRESシナリオのAIBに固定されているため、対策の有無は考慮されていない。この結果は、現状のままあまり対策を取らないようなシナリオと見ていただいて、対策を取ればこれよりも影響を抑えられるのだと考えて欲しい。また、モデルの解像度は荒くなるが、環境省は第8巻の気候モデルを使用して、シナリオごとに予測結果がどのように変わるのかを計算して公表しているので、併せて参照していただきたい。

(問)気候モデルによる将来予測は、信用できるのか?普通の天気予報ならば日々の結果を見て検証できると思うが?
(答)気候モデルの検証には、それを過去の地球において再現実験を行うことにより、モデルの結果と実際の観測値を比較するということを行っている。また、各機関のモデルの結果を相互比較する、アンサンブル化してモデルの不確実性を見積もるなど、IPCCに採用されているモデルには一定の信頼性があると考えられる。

以上

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2014年07月24日

EVFセミナー「我が国の地熱発電の現状と将来の課題」

演題;我が国の地熱発電の現状と 将来の課題
講師; 産業技術総合研究所 再生可能エネルギー研究センター 
      安川 香澄 様
開催日時  平成26年7月24日(木)
場所    新現役ネット事務局会議室
講師    産業技術総合研究所 再生可能エネルギー研究センター 
       安川 香澄 様
講演テーマ 我が国の地熱発電の現状と将来の課題

セミナー概要報告
1、地熱発電とは
 特徴は3つ、ライフサイクルのCO2排出量が少なく、純国産エネルギー、安定電源。
2、3.11の震災ではすべて無事。送電系統のトラブルのあったところも3日以内に復旧し送電開始。特に奥会津(柳津)は送電も無事で、福島をささえた。
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3、しくみ
 地下の熱+地下水+ボイラー(やかん)としての地層 を有する土地に建設する。
4、日本の地熱資源
 世界3位の規模で発電設備容量 23470MWのポテンシャルがあり、その10分の1は開発可能。
5、なぜ開発が進まないのか
 原子力や火力のようなスケールメリットが無く、電力会社にとって魅力がない。
 初期コストが大きく、立地が限られ、送電コストが高い。
 鉱区設定ができず井戸掘りのリスクおおきい。
 国立公園法の開発規制。
 温泉業者との対話不足。持続可能な開発との理解不足と、都会の電力不足対策が目的と考えられ、地元の安定電源との理解がされなかった。
6、技術開発
EGS 地下を刺激して人工的に亀裂を作ってボイラーとなるようにする。
 ねらいは 1、消費地の近くでできれば、送電コスト下がる。
        2、既存の温泉地や公園地域をさける
        3、既設発電所の出力向上
 課題は 技術開発、誘発地震の心配
まとめ
エネルギー政策として一律の経済原理でない推進方策が必要。
小規模出力(2−3万kW)や更に小規模のバイナリに対してコスト減となるようなインセンティブのある制度設計が必要。
 海外事業に対する技術移転をサポートする制度設計を行い、開発継続と人材育成サポートが急務。地熱技術者は絶滅危惧。
 稼働特性を生かし、地域の分散安定電源として、電力、熱をあわせて供給し地域エネルギー自立を目指すべきではないか。
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質疑
・原発と比べてコスト高いのか→計算方式による。
・地下を掘る開発では温泉周りから金がでませんか?→場所によっては出ることもあり、海外ではレアメタル生産で稼いでいる地熱発電の事例がある。
・ニュージーランドマオリトラストのような利益地元還元政策のようなベースポリシーが必要では→あればよいと思う。今のエネルギー政策は政府が短期経済性から判断しており、長期的ではない点が問題。
・還元水は温泉にならないのか→既存の温泉にとっては、混ぜ物のイメージになるので利用されにくい。温水(熱)としての利用は可能。
・東京では地熱発電できないか→温度不足。将来の超深度EGSなら可能だが、現状では経済性がなさそう。
・アイスランドの状況は→発電量の30%は地熱。これで国民生活をすべてまかなえる。残りの70%は水力だが、このぶんは外国資本のアルミ工場に販売。

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2014年06月26日

EVFセミナー「日本のこれからを考える」

1)開催日時  平成26年6月26日(木)
2)場所     新現役ネット事務局会議室
3)講師     内閣府参事官(兼)経済産業省 研究開発課長
          渡邊 昇治様
4)講演テーマ 「日本のこれからを考える」
5)参加者数  48名
6)セミナー概要報告
  今回のセミナー講師をお願いした渡邊様は2012年8月に「これからの新エネルギー政策、新エネルギーの可能性と課題」というテーマでご講演をいただき、大変好評で折に触れてお話を伺いたいということから、お忙しいところ再度のご講演をお願いした次第です。
  今回は経済産業省というお立場を離れて個人的に思うところをお話しいただきたいということでお願いしましたので、ご講演の記録は残しませんがご準備頂いたレジメに従って筆者の感想を書き加えるということで報告とさせていただきます。

日本のこれからを考える
1)少子高齢化とロボット
    生産年齢人口の減少は避けようがないが、それだけに高齢者、女性が本格的に働く時代が到来する。高齢者はともかく元気で働き続け、逆に働くことによって健康も維持できる。しかしながら通勤の問題もあり、在宅勤務をサポートする情報システムがさらに高度化するだけでなくサービス業でも働けるロボットが登場するかもしれない。社会でロボットが多用されるようになった時のことを踏まえて事故、犯罪、個人情報保護などに対して早期に検討をしておく必要があろう。
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2)ものづくり革命の予感
    コンピュータによる第3次産業の次に来るものは何か。それを本格的ネットワーク社会の到来ということでインダストリー4.0と呼ぶ。これにより企業という概念が変わる可能性もあり、その兆しが随所に表れ始めていると思われる。

3)ダブルメジャーの必要性
    そのような社会で生きていくためには人は複数の専門分野を習得する必要があるであろう。そのためには企業の仕組みや教育システムも変わらざるを得ないが、それだけでなく高齢者と若い人との融合によるオープンイノベーションの創発に期待したい。多様な能力を持った人々のミックスが重要との指摘が興味深い。

4)エネルギーのベストミックス
    これからのエネルギーを考えるうえで重要なことは安全性、エネルギー保障、経済性、環境維持の
S+3Eのバランスが重要である。
    エネルギー利用では電気だけでなくエネルギー利用の大半を占める熱利用に目を向けなければならないが「国産+無尽蔵+CO2フリー」な熱利用技術は現時点ではほとんど不在といえる。その面では研究課題は多いが水素エネルギーにもっと注目した方がよい。太陽光などの再生可能エネルギーの技術革新には期待大だが、技術革新とそれを踏まえた政策のベストミックスを追求すべきであろう。
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以上の項目に関して実例を交えながら大変わかりやすく解説していただきましたが、その目指すところは洞察力にとんだ骨太な想いがあったように感じました。
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2014年05月22日

EVFセミナー「首都直下地震は来るのか?そして富士山の噴火の可能性は?」

実施日:2014年5月22日(木)
演 題:「 首都直下地震は来るのか?
     そして富士山の噴火の可能性は? 」
講 師: 神奈川県温泉地学研究所長
静岡大学名誉教授 
理学博士 里 村 幹 夫 様  
開催場所: NPO法人新現役ネット  A会議室
参加人員: 44名

 里村先生には直接お答えにくいテーマをお願いしたにも拘らず快くお引き受けいただき、ほぼ満席の会場は最初から一言も聞き逃したくないという熱気がいっぱいでした。

1、 地震とは? 「地震」は自然現象、「震災」は社会現象という定義から始まりました。だから普通言われている“東日本大震災”の地震名は“東北地方太平洋沖地震”と呼ばれます。震度は0〜7まで10段階あり、現在は震度計で震度を計測していること、マグニチュードの計算方法には複数あり、Mが1大きくなるとエネルギーが30倍大きくなるとのこと。
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2、 関東地方に想定される地震について :南関東は北からの北米プレート、東からの太平洋プレート、南西からのフィリピン海プレートの交叉する複雑な構造をしており、地震が発生する場所をプレートをもとに分類するだけで6種類にもなる。昨年の中央防災会議では、どの地震が起こるかわからないので被害の最も大きくなる都心南部直下地震で被害想定が作成されている。

首都圏でM8を超える地震の発生予想としては、@大正関東地震タイプ(M8.2)→発生は100年先とされているが、1996年以降スロースリップイベントが5回発生、その間隔がだんだん短くなってきており不気味。A延宝房総沖地震タイプ(M8.5)→東北地方太平洋沖地震によって誘発されないか心配。B元禄地震タイプ(M8.7)→しばらくのところ発生の可能性はない。

3、 東海地震とは :南海トラフの地震帯には歴史的に幾度か大地震が起こっている。1944年の昭和東南海地震、1946年に昭和南海地震が発生した。そのとき地震が起きなかった空白域の東海沖が危険とされ、東海地震対策がクローズアップされた。2001年〜2005年の異常地殻変動が観測されたときにはそれがきっかけで東海地震が発生するのではないかと心配された。

4、 東南海・南海地震 :最大クラスの巨大な地震・津波を検討したものであり、防災対策の基礎にすることは重要だが、必ずこの大きさの地震が来るとは限らない。

5、 富士山の噴火 :東北地方太平洋沖地震直後、富士山の活動が一時的に活発化したが、今は富士山の噴火の前兆と考えられる現象は起こっていないとのことでした。

6、 大地震発生時に一番大事なこと :死なないこと。阪神淡路大震災のときはほとんどの人が即死、その凶器はマイホームだったそうです。救助された人は警察、消防などからよりも近隣住民に助けられたとのことです。大地震で死なないためには、@倒壊しにくい家に住む、A家具を固定する、B寝る場所の安全に特に気をつかう、みなさんはっと我に返ったような顔をされ、深く納得したのでした。
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主な質疑応答)
Q1最近深海魚がよく捕獲されることと地震の兆候との関係
→ 直接の関係はないとおもう。ただし学問的に全く関係ないと言い切るのも難しいことを理解して欲しい。
Q2地震の計測器は変位を計測しているとのことだが、どのように計測しているのか。
   → 地震計以外にも長期的な変動はGPS装置を使った計測をしている。
Q3日本全国に地震計はどれくらい設置されているのか。
   → 全市町村1,700には最低1箇所設置されているので、4,000〜5,000箇所、いや1万箇所くらいに設置されていると思う。

                                      以上

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2014年04月24日

EVFセミナー「世界における施設園芸の現状と展望」

EVFセミナー「世界における施設園芸の現状と展望」(4月24日実施)報告

実施日:2014年4月24日
講師: 富田啓明 様  トミタテクノロジー株式会社 社長
開催場所: JICA研究所(市ヶ谷) 201AB会議室
参加人員: 29名

 講師はオランダの技術を吸収しながら独自の施設園芸技術を蓄積し、実際に自ら農業に会社として参入しながら、成長してきた。リッチフィールド栗原、リッチフィールド由布、リッチフィールド美浦など農業生産法人、販売会社を次々と設立し、高効率で計画性の高い施設園芸および販売までを実現してきている。リッチフィールドは「独自性の高い企画」「独自性の高い生産」「独自性の高い販売」の3つを柱に活動している。
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 施設園芸の規模の現状は全世界で250万ha、内中国が220万haで、残りは韓国5.6万ha、スペイン5.2万ha、日本4.9万haなどとなっている。 オランダは1.0万haだが、ガラス温室を利用し技術が高い。まず、メキシコのパプリカ、ノルウェーのキュウリ、ベトナムの菊、エクアドルのバラ、ジンバブエの生花など各国の園芸施設を写真を交えた紹介があった。

 次に、リッチフィールドの3つの柱の解説があった。「独自性の高い企画」はパプリカなどこれまで国内で作られていなかった農産物や加工品を提供する。リコピントマトもその例である。「独自性の高い生産」はグローバルGAPの手法やオランダなど最新の海外の技術を取り入れて活動する。閉鎖型温室において、暖房時の燃焼CO2を利用したり、LED照明による成長促進制御をするなどの様々な事例の紹介があった。「独自性の高い販売」は直接ユーザーにアプローチし、市場ニーズを把握できる販売体制を確立する。リッチフィールドは法人組織の農業への参入を支援するなど、活発な活動を行っていることの説明があった。
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講演後約30分間、下記を始めとする多くの活発な質疑応答があった。
・企業として農業に参入する場合の課題、解決方法。
・植物工場の将来性は? 輸出を狙う植物工場への補助金は?
・CO2利用の閉鎖温室は地球温暖化防止に寄与するのではないか?
・どのようなものを作ると良いか?
                            以上
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2014年03月27日

EVFセミナー「What will accelerate the EV diffusion(何がEV普及を加速するか)」

>EVFセミナー「What will accelerate the EV diffusion(何がEV普及を加速するか)」

実施日:2014年3月27日(木)
講師:日産自動車グローバルデザインセンター シニアスタッフマネジャー 
井上眞人氏
演題:What will accelerate the EV diffusion(何がEV普及を加速するか)
参加人員:38名
開催場所:新現役ネット会議室    
 
講師は1979日産自動車デザイン本部入社、日産LEAFを初めとする日産系電気自動車(以下EV)デザイン及びEV関連デザインを統括。世界初の大規模量産EVとなる日産LEAFのデザインを最初から手がけ、発売、マイナーチェンジまで担当。数多くの賞を受賞している。
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2011年に日産LEAFが発売され本格的EVの時代が幕を開けた。2014年1月にはLEAFの世界累計販売台数が10万台に達し、着実に市場に浸透しつつある。しかしながら、まだまだ発展途上にあるEVは爆発的な販売を見せているとまでは言えない。ゼロエミッションの重要な役割を担うEVが更に普及していくには何が必要とされるのだろうか。今後のEV普及の鍵は何か、EVならではの新しい付加価値の可能性などにつきご講演いただいた。

講演概要:
バッテリーのコストが1kWhあたり$100以下になればEVは従来の内燃機関自動車との競争に打ち勝つと言われる。しかし現状では2030年になっても実現しそうにない。
従ってEVは従来の内燃機関自動車の代替機能を狙うのではなく、EVの得意分野を最適に生かした新しい守備範囲を創造して行くことでEVのベネフィットを得るべき。これはギターの変遷の歴史に似ている。在来型のAcousticギターからElectric ギターへの“革新“は必ずしも”置き換え“ではなく、技術の進歩による新しい分野の創造であった。EVについても多分同じストーリーが当てはまると思う。
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EVは航続距離が短いという固定観念があり普及の足かせになっている。しかし次に示すEVの強みを生かせば内燃機関自動車にない新しい守備範囲が創造できる。
・抜群のエネルギー効率の良さ:
LEAFの場合、ガソリン2.7リッター相当の電気エネルギーで160q走行でき、
驚異的な経済性を発揮する。日本には年に2万キロ以上走行するドライバーが22.5%おり、この人たちは4年でEVの割高分を十分に回収できる。とくに
年間走行距離が大きい地方のドライバーにはベネフィットが大きい。
・強大な低速トルク
   内燃機関に比べて低回転時のトルクが強大であり、強力な加速感がある。
・静粛で振動が少ない
    内燃機関に比べ往復運動がないため、非常に静粛で振動がなく疲労が少ない。

さらに、充電設備を自宅と勤務先の両方に設置すれば、行動範囲が両点を焦点とする楕円形の範囲に広がり、日常の通勤や週末の外出にも十分に対応できる。停めたら逃げないように馬を繋ぐ行為と同様に、EVも停めたら充電プラグにつなぐのが良い。
EVの経済性を生かすには、車両の大きさ(バッテリー搭載量)と1日の行動範囲にバランスした最適のEVサイズを選択することが重要。行動範囲が小さければ小さい車両を、行動範囲が大きければ大きい車両を選択するのが良い。それぞれの車両にはそれぞれに見合った守備範囲がある。
EVはトランスミッションが不要であり、バッテリーとモーターのみで制御されているため、来たるべき自動運転時代には最も対応しやすいと言うアドバンテージを持っている。
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講演終了後、聴講者と講師の間で活発な質疑応答があった。話題の例は以下の通り。
  ・インホイールモーターの実用時期の見通し
  ・聴講者が所有するLEAFのバッテリー寿命の懸念
  ・外観からEVとわかる記号性のあるデザイン適用の是非
  ・各地での急速充電の料率比較、他     
以上
                           (文責:小栗武治)

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2014年02月27日

EVFセミナー「福島新拠点における再生可能エネルギーの研究開発」

EVFセミナー講演概要 (2014年2月27日)/JICA地球ひろば・会議室

    福島新拠点における再生可能エネルギーの研究開発
    
講師:産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所長 大和田野芳郎殿

産総研は、永年の蓄積のある再生可能エネルギーに係わる技術を生かし福島復興に寄与すべく、再生可能エネルギー研究開発の新拠点を福島県郡山市に2014年4月に開所する。
講演において、講師は世界の再生可能エネルギー技術の現状と今後の展望を総括されるとともに、福島新拠点の理念・狙いを述べられた。
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長期持続可能なエネルギー源である再生可能自然エネルギーの日本における位置づけとしては、必ずしもエネルギー問題解決のオールマイティではないが、化石燃料調達のバーゲニングパワーとなり、且つ世界の課題である炭酸ガス排出削減のための手持ちカードの増加としての価値が大きい。

再生可能自然エネルギーは、エネルギー密度が低く、偏在し、時間的に変動する等の欠点があるが、個別の技術をシステム化・ネットワーク化すれば有効なエネルギー源となる。例えば北欧での揚水発電等の電力貯蔵とアフリカでの太陽発電を結びつけるような広域スーパーグリッド構想も可能となる。また風力発電と蓄電池を組み合わせれば出力の平準化が可能となるし、電力と水素(化学キャリア)の相補的ネットワークが再生可能エネルギーの規模の拡大、高効率利用を可能とする。
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講師は講演の最後を、「福島新拠点の研究開発のコンセプトは、再生可能エネルギー大量導入を支える技術の開発・実証・システム化研究であり、太陽電池、風力、地熱、地中熱、水素キャリア等々の研究設備を自前で持ち、実証とシステム化研究を国内外の企業や大学との連携のもと、且つ地元企業との連携も強め、復興と持続的発展に貢献すべく、賑やかに活発に研究を進めたい」と結ばれた。
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講演の後、下記のようなトピックスに関し活発な質疑応答が為された。
○再生可能自然エネルギーの固定価格買い取り制度の今後の展望
○電池、バイオマス、海藻、海洋発電等の将来性
○出力用電池と貯蔵用電池のコスト比較について
○再生可能エネルギーの最適ミックスはあり得るか?
(文責:橋本 升)
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2014年01月30日

EVFセミナー「シェール革命とは何か」

EVFセミナー(1/30)の概要報告      (今泉良一)

実施日:2014年1月30日(木)
講師:独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)上席研究員
   工学博士  伊原 賢
演題:シェール革命とは何か−アメリカのシェール革命はどう進展しているか−
参加人員:39名
開催場所:新現役ネット会議室


シェールガス(Shale gas)は、泥岩の一種で頁岩(けつがん)という固い岩盤の隙間に閉じ込められた天然ガスです。米国では、水平坑井や多段階の水圧破砕等の技術の進歩により、21世紀に入ってシェールガスの生産量が飛躍的に増加しました。その結果、米国内の天然ガス価格が大幅に下落し、電力や化学産業の燃料・原料コストの削減、新規雇用の創出、資源輸入量の減少等、「シェール革命」が進んでいます。シェールガスに代表される膨大な量の天然ガスを新規に取り出せるようになり、世界の天然ガスの寿命は60年から、少なくとも160年を超えるのは確実になったと云われています。今回のセミナーでは、中東・米国での10年間の石油採掘の業務経験をお持ちの伊原博士に、「シェール革命」の現状と将来について大変分かりやすく講演していただきました。
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講演概要
1. シェールガス・シェールオイル
シェール(頁岩)は、炭化水素の元になるので石油根源岩(Source rock)と呼ばれ、この岩の中に取り残されている油やガスを取り出せるようになった。シェールを叩くか削り、傷付ければ「クヌーセン拡散」という、地下の圧力が低くなってもメタン分子がシェール内部の隙間を跳ね返りながら動く現象が起きて流れやすくなり、開発当初の予想より多く回収できて、商業生産が加速した。在来型の油の場合は0.7%しか取り出せないが、シェールオイルの場合は5.6%、即ち、在来型の8倍も多く取り出せると米国では報告されている。2011年度の世界天然ガス生産高は124Tcf(兆立方フィート)、2013年始めの在来型天然ガス推定確認残存量は6,839Tcfであるが、一方、世界のシェールガス資源量評価(技術的回収可能量)は7,299Tcfという。米国の非在来型天然ガス[シェールガス、CBM(Coalbed methane), TG(Tight gas)]は、天然ガス総生産量の50%、全世界生産量の10%を占めると報告されている。
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2.環境リスク
水質汚染については、水質検査や水の再利用の徹底で、現在問題視されなくなっている。一方、最近懸念されているのは、シェール層を水圧破壊した時に断層に当たって地震が起きる可能性だが、地質調査をして、やみくもに開発しない限り防止できると考えられている。

3.日本への影響
日本は現在、輸入原油価格に連動した液化天然ガス(LNG)輸入価格の高騰に加え、原子力発電停止による代替火力発電燃料のLNG輸入量急増により、貿易赤字に転落し電力料金値上げを強いられている。液化・輸入コストを勘案しても日本の70%程度と低く、ガス自体の需給で価格が決まる米国のシェールガスを輸入しようと、日本のガス会社や商社等がシェールガス由来LNGプロジェクトに参画したり、上流権益を取得したりしている。米国は昨年5月に、FTA締結をしていない日本にLNGの輸出を認めた。この結果、2017年以降に日本向けのシェールガス由来LNGの輸出が始まる。このことは、既存の産ガス国との契約交渉にも有利な影響を与える結果となった。
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4.シェール革命と自動車燃料
単位熱量当たりで比べると、昨年末時点で価格が原油の1/4以下のシェールガスは自動車の燃料としても使えるが、トラックやバスといった商用車に限られよう。一般自動車への普及には、圧縮天然ガス(CNG)タンクの低コスト化と燃料供給インフラの整備という大きなハードルがある。一方、シェールオイルの増産が北米から世界に展開して原油の生産量が仮に増えれば、ガソリン価格の低下が期待できる。米国での自動車燃料の主役は、暫くの間従来のガソリンと軽油で変わりないと予想されるが、今後の次世代自動車の開発・普及の動向は、シェール革命の米国から世界への進展度合いを見極めることが必要であろう。
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講演終了後30分間、シェールガスの日本への輸入コスト、中国での採掘の可能性、採掘技術の特許状況、メタンハイドレートの工業化の現状等々について大変活発な質疑応答が行われた。

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2013年12月19日

EVFセミナー「東京都の気候変動対策動向と今後の取り組みについて」

EVFセミナー(12/19)の概要報告      (千葉 一雄)

実施日: 12月19日(木)
講 師:東京都環境局、都市地球環境部 中小規模事業所対策担当課長 千田 敏 様
演 題:東京都の気候変動対策動向と今後の取り組みについて
参加人数:32人
開催場所:新現役ネット会議室


 地球環境に対する人間活動の影響として、近年温暖化現象が懸念されています。
 東京都は地方自治体として温室効果ガス削減に果敢に取り組み、成果をあげました。その経緯と地道な取り組みについて、現場からのレポートをいただきました。概要は下記にまとめますが、丁寧な目標設定と説得活動の積み上げの説明を聞き、自治体の取り組みで、ここまでやれるものなのだと言う感動を覚えました。大都市として持続可能な低炭素都市モデルを自分の手で実現したいとの思いが伝わる講演でした。
 講演後の懇親会でも丁寧に質問対応いただき、目標の実現に対して、日本の自治体の現場の強さを実感することができました。
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講演概要
1、都の現状と基本姿勢
CO2排出量シェア45%x40%=18%の大規模事業所1400カ所のフォーカス。
基本姿勢は、大消費地としての責務と持続可能な都市への転換、成長である。

2、都の気候変動対策の経緯
CO2キャップ&トレード制度を2008年に条例化し導入
2002年から事業者へ自主的な取組みを促し準備し、実行期間5年毎の準備ステップを2回踏んで、2010年からの総量削減規制義務化にこぎ着けた。義務化の大きな目的は、いち早く低炭素型の都市へ移行し、まじめに努力するものが不利益を被るのを防止すること。関係者への丁寧な説得と地道なノウハウ、データの積み上げが困難で時間がかかった。
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3、都の気候変動対策の展開
新築に対する建築物環境計画書制度、地域エネルギ有効利用計画制度、および既築に対する東京キャップ&トレード制度を2010年以降展開し、効果を上げている。大規模事業所に加えて、中小の使えるベンチマークや無料省エネ診断コンサル、補助支援制度を組み合わせ、初期投資ゼロ0の省エネ支援モデル事業も展開をはじめた。

4、スマートエネルギ都市 東京
低炭素、快適性、防災力 の3つを同時実現を目指す。
需要・供給双方の努力で目標を達成。下記を展開。
需要側2010年比、2013年夏のピーク電力16.5%(9-10百万kW)削減を実現している。
無理のない節電・省エネが定着。
供給側、HEMS,BEMS導入補助予算付け、ソーラー屋根貸しビジネス仲介
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主な質疑
1、規制により活力がそがれるのでは?
a, 活性化要因としてうまく使って欲しい。C&T導入後は、そのような動きになっている。

2、オリンピック騒ぎで省エネ忘れないか?
a. オリンピック自体はカーボンフリーでやるが、建物は20年以上残る。東京投資は中小規模ビルが国内外からの投資対象となるので、全体としてハイスペックなものにしたい。

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2013年11月21日

EVFセミナー「健寿の駅とは・・歩行の勧め」

演題:「健寿の駅とは・・歩行の勧め」
講師:芝浦工業大学 ライフサポートテクノロジ―研究センター 名誉教授、
工学博士 岡村 宏氏
参加人数:25人
開催場所:新現役ネット会議室


概要:健寿の駅の活動は高齢者の健康寿命を2年延伸し、自立生活を維持できる様に
することが目的である。その為、講師が中心となって、「IC歩数計」などの正確な
日常バイタルデータを基にして高齢者の生活のリズムを確保する方法を展開しつつあ
る。
今回はその活動の状況についてご講演戴いた。
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1. 高齢者の自立生活維持状況
 65歳から生活習慣病などによる体力の低下傾向が明確になり始め、75歳で自立
生活度維持の壁にぶつかり始める。男性の低下傾向は女性よりも急速である。また、
自立生活度および死亡率は歩行の状況と密接な関連性があり、歩行機能の改善で自立
生活度を維持することが出来る。日本は2025年には世界に先駆けて高齢者の割合
のピークに達し、医療費に関しても、危機的状況に至る。

2.活動の概要
以上の状況を踏まえて、「健寿の駅」の運動では下記の活動を展開している。
 (1)自助:歩行の大切さを認識し自分の情報を正確に把握しながら自主的に歩行
を行う。
 (2) 互助:「健寿の駅」を構築することで、自分の状況を正確に把握し、仲間
同士のコミュニケーションの場として歩行活動を長続きさせることができる。
 (3) 公助:歩きやすい街づくりを実現し、歩行環境を向上させる。
 活動はNPO地域交流センター、健寿の駅研究会、健寿の駅推進協議会などで足掛
け3年にわたり推進されてきた。地域としては町田市、多摩市、日野市、気仙沼市で
立ち上がっている。

3. 歩き方
 歩数と歩行速度がポイントとなる。歩数は4000歩/日以下の人は閉じこもり状
態と言え、自立出来なくなる可能性が高くなる。女性の場合歩数は家事でも4000
歩/日程度になるが、男性は外出を意識的に行わないとそれに至らない。男女とも7
000歩/日は確保すべきである。
また、その歩数の内、速足歩行を5分以上は織り込むと効果が高くなる。ゆっくり歩
行だけでは長く歩いても効果が落ちる。
 歩き方は、骨盤が前後に動くと効果が高くなる。
 歩けない日でも、スクワット、片足たち、大腰筋ストレッチをすると良い。

 講演後30分間以上活発な質疑応答が行われた。 歩行の重要性、歩行を行う上で
のポイントについて理解が出来、意義の高い講演であった。


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2013年10月29日

EVFセミナー「リスク危機マネジメントから考える原子力安全確保問題について」

EVFセミナーリスク危機マネジメントから考える原子力安全確保問題について
〜福島第一原子力発電所事故 及び それに対する対応の状況を踏まえて〜      (佐藤 孝靖)

開催日時 : 平成25年10月29日
講 師 :千葉科学大学危機管理学部 教授・博士(工学)
      宮林 正恭 氏
聴講者数 : 26名

講演概要報告
 講師は1967年(昭42年)に東大工学部合成化学科を卒業され通産省に入省された。在アメリカ合衆国日本大使館の一等書記官就任直前にスリーマイル島の原発事故が起こり、身近に原発事故を観察された。以降、科学技術庁の科学技術行政、原子力行政に長く関与され、1995年(平7年)には科学技術庁の原子力安全局長も歴任、2004年(平16年)からは千葉科学大学でリスク危機マネジメント論の研究に取り組まれている。
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1.「リスク危機マネジメント」の概要
 世にある“リスクマネジメント論”はリスクを減らすことのみを強調し、危機時にはトップダウン方式を推奨するなどの問題がある。人間的要素を導入した「リスク危機マネジメント」論への脱皮が必要であるとして本題に入る。

(1)リスク危機マネジメントのコンセプト
危機発生の前と後を一体のものとして統合的に捉える。その上被害が許容できる範囲内であれば、危機発生はありうるとしてその被害を限度内に収まるように対策を打つ。常にプライオリティ付けの考え方が重要で、トータルで考えてリスク危機対応を進めるべき。「部分最適化」は最悪だ。
(2) 基本的な考え方
 人間はミスをする、認知バイアスがある、組織カルチャーなどに拘束される等の弱点を持つとの認識の下、重層防御はハードだけでなく仕事の仕方にも及ばせる必要がある。
  
2.福島第一原発から原子力の安全問題を考える
 <事故が大きくなっている主要理由>
@  水素爆発で放射性物質が飛び散ったこと。
A  メルトダウンで燃料がむき出しになってしまったこと。
以上はアメリカのスリーマイル島事故と同じものだ。
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<関係方面別の問題>
東電 :巨大津波の可能性が指摘されたのに放置した等。
政府 :指導監督の直接的責任がある経産省原子力安全・保安院が全て官邸に委ねてしまった等。
その他 :技術を複雑系として捉えず、単純系の科学としての側面でしか捉えない風潮など。

<7つの主要問題点>
@ 組織構造及びカルチャー
ゼネラリスト優位と技術系職員の人事が部局ごとに分断されてきた問題と、形式理論優先。原子力の高度の専門家が結果として育ち難いカルチャー。
A 人材と技術的能力
ターンキィによる原発建設方式と下請け依存体制。
B マネジメントと運
複雑系技術に暗いトップと、技術を特別視する主流派経営陣。
C リスク危機マネジメント知識と能力
政官界や原発会社に体系的な学習の必要性が認識されているとは言い難い。
D 法規制等
安全審査と設計工事方法の認可を一体的に管理するよう改革が必要等。
E その他〜国民意識の問題
原発に対する感性的反対論と、安全政策の反省がなくエネルギー論のみからの推進論との不毛の対立。また、常時リスクをモニターして速やかに対応してゆこうとのリスクに対する謙虚さが不足している。

3、福島第一原発の現状
 「危機との共存」の状況にある。廃棄物の問題は未解決。汚染水問題にすべての力が取られて全体像が確定していないところが多い可能性がありそう。
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4、課題と考え方
 原発は止めていようが動かしていようがリスクは存在し、コストも永続的に発生し人員も必要。我が国のトータルとしてのリスク分析とリスク対応の意思決定が必要なのではないか、人材の確保はどうするのか、という大きな問題を提起されてセミナー会場は静まり返ったのでした。

その後約30分の質疑応答は地に足のついた内容のあるものでした。その中で印象的だったのは、「この難しい問題は我々では解けないので、若い人たちの英知をまつべきか」との質問に対して宮林先生は、「いや、我々の年代が考え、社会を啓蒙してゆく責任があるのではないでしょうか」ときっぱりとお答えになられたことでした。  (終)
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2013年09月26日

EVFセミナー「BOPビジネスと環境技術」

EVFセミナー「BOPビジネスと環境技術」日本の技術が役に立つために
注)BOP:Base Of the Pyramid(http://www.bop.go.jp/bop

セミナー開催日時 : 平成25年9月26日
講師       : 佐藤 寛氏
          独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所
聴講者数     : 27名

講演概要報告
 講師はアジア経済研究所で社会学の観点からBOPビジネスを研究しておられる。かつては中東アラビア半島のイエメンにも駐在された経歴を持つ。今回はBOPビジネスとは何か、事例の紹介、ビジネスの可能性、BOPビジネスで陥りやすい誤解、それらへの対処の考え方などにつきご講演をいただいた。
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1.BOPビジネスとは何か
 開発途上国における年間所得が$3,000以下の低所得層をターゲットとして、彼らが欲する製品、サービスを購入可能な価格帯で提供する。同時に、彼らの抱えている社会課題解決に資する。BOP層は世界人口の約72%を占める。経済規模は$5兆。年間所得$3,000は一日$8に相当する。世界の貧困層は一日$1.25で生活しているので、貧困層の一段上の生活水準に相当する。
2005年に米国の経済学者プラハラードが「Next 4 Billion」(次なる40億人)としてBOPビジネスの可能性を最初に提唱した。日本では2009年に経済界が注目を開始し、BOPビジネス元年とされる。

2.BOPビジネスへの誘い
BOPビジネスには下記四つの誤解がある
@ BOP層は「購買力が」ある/ない⇒ある。出稼ぎ、青空市場などの収入がある。
A BOP層向け商品はローテク/ハイテク⇒ハイテク。M-Pesa(Mobile banking)
B BOPビジネスはCSRの延長上/別物⇒別物。目的は収益であって慈善ではない
C 企業とNGOは志向性が違う/協力できる⇒協力できる。NGOと協働することが有効
注)CSR:Corporate Social Responsibility
BOP層にも大きなニーズがあるが、アクセスが無いため購買行動に結びついていない。実は必要なら払う用意がある。
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3.BOPペナルティとは何か
 貧困層の生活コストは安くない。不必要に高いコストを払わされている。先進国からは市場とみなされていないので流通網・サービス網から外れている。結果として「質の悪いものを」「金持ちよりも高い値段で」「さんざん苦労して」買う羽目になる。
これがBOPペナルティ。BOPペナルティを解消すれば、潜在ニーズが、購買行動に結びつく。そのためにはさまざまな工夫が必要=BOPビジネス・イノベーション
インド・ユニリーバの「シャクティアマ」(活力のある女性)、バングラデシュのテレフォンレディ、グラミンレディなど現地の人材活用で成功。味の素は小袋戦略で購入しやすくして成功。

4.ローテクとハイテク
 先端技術の活用がBOPビジネスを開拓する。M-PesaによるMobile banking、バングラデシュのBRTC(Bangladesh Road Transport Corporation)、LLIN(Long-Lasting Insecticide Nets)、ウガンダ向けサンヨー・パナソニックソーラーランタン、セネガルのYAMAHA農業用灌漑ポンプ、などの例がある。
日本製2輪車は中国製に対して品質でまさるものの価格で苦戦を強いられているが、灌漑用ポンプ駆動用のエンジンは故障で止まると農業被害が大きいため信頼性の要求レベルが高く、日本製の高品質が競争力になる。
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5.ビジネスと開発の相互接近
開発にビジネスの視点を!ビジネスに社会的責任/倫理性を!
伝統的な援助手法が過去50年の努力にもかかわらず貧困削減に成功していない。チャリティに代表される資源移転は貧困層の援助依存を高め、自立・持続性をもたらすことに失敗してきた。
開発にビジネスの視点を取り入れることの重要性が認識され、様々な実践が始まっている。ビジネスのよって立つ自由経済への不信感、危機感が高まり(2009年金融危機)無軌道な資本主義、株主至上主義に対しての批判の目を向ける消費者・世論。

6.エントリーとしてのCSR(Corporate Social Responsibility)
BOPビジネスの目的は収益であって慈善ではない。新興国・途上国における将来のボリュームゾーン獲得戦略の布石としての取組。
「消費者」としてのみターゲットにする(BOPビジネスver.1)から「生産者」「流通者」「販売者」として巻き込む(BOPビジネスver.2)へ
日本企業で積極的に取り組むには経営者の理解が鍵となる。日本はまだまだ社会的プレッシャーが不足しており、未知の市場に対する情報も不足している。

7.BOPビジネストラップ
@現地の実情にあった製品開発、自前の技術の「現地化」無しには浸透しない。
A分かりやすいキャッチコピーが必要(「燃料費節約」など)
B現地のビジネスマンはBOP層を商圏と見ていない。NGOと協働することが必要。(欧米は宗教的背景がありNGOと協働しやすい)
D 現地のニーズを十分把握した上でのビジネス展開が必要。
<バヌアツのソーラーパネルの例>
バヌアツで夜電燈がつけば良いことが沢山ある。子供は宿題ができる。奥様は内職が進む。食事や飲み会ができる。
⇒どれも現地では魅力とならなかった。バヌアツでは宿題はでない。奥様は友達とワイガヤで内職するのが楽しみで、夜、一人で内職はしない。飲み会は明るくないところが好まれる。

8.質疑応答
@エチオピアのシープスキンでバッグを作って販売している人がいるが、資金が不足している。なんとか援助できないものか。
⇒CRM(Cause Related Marketing)と呼ばれる、ある特定の要因によるビジネスは持続可能性が低い。チャリティに代表される資源移転は貧困層の援助依存を高め、自立・持続性をもたらすことに失敗してきた。
ABOPにおいて大体いくら位の価格なら受け入れてもらえるのか
⇒一言では言えないが、携帯電話のように年収に対する比率が高くても本当に付加価値があれば払ってもらえる

以上

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2013年08月22日

EVFセミナー「エコドライブの推進と意義」

セミナー開催日時 : 平成25年8月22日
セミナーテーマ  : エコドライブの推進と意義
講師       : 谷口 正明氏
          一般財団法人 省エネルギーセンター、家庭小エネ・人材本部エコドライブ推進室長
聴講者数     : 28名

講演概要報告
 講師は日産自動車の車両研究部門で交通研究、渋滞改善、人のモビリティーのあるべき姿などの研究に長年携わった後、省エネルギーセンターに移り現在は運輸部門の省エネを研究している。
 本日の講演内容は実際の車両を用いた様々な実測データーの解析結果を元に、発進、巡航、減速、停止の4つの走行形態ごとに燃費がよい運転の仕方を推奨して頂いた。
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1.環境、エネルギー消費
 わが国のCO2排出量の約2割を運輸部門が占め、そのうちの9割が自動車部門でその5割を自家用乗用車が占めている。日本全体で見ると自家用乗用車は約1割の排出源となっている。
 エコドライブに務めると、環境保全への貢献、安全性の向上、経済性の向上といった面でいいことずくめであるにも拘らず、なかなかやる気にならないというのが実態である。エコドライブについては、大して燃費がよくならないのではないか? エコドライブは特別な操作が必要ではないか? 「エゴ」ドライブになって周囲に迷惑をかけるのではないかなどの疑問を持つ人も多いが、本講演で推奨するやり方を行えば約20%の燃費改善が得られる。
 暖機運転、エアコン使用、タイヤ空気圧不足、積載重量増加、空気抵抗増加などと燃料消費の増加の関係について実測データーに基づく影響度が紹介され、聴講者一同認識を新たにした。
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2.走行形態ごとの燃料消費改善方法
<発進>
 超急発進、少し急発進、普通発進、ふんわり発進、スロー発進、の5種類の発進パターンについて目標速度40km/hに到達し200m走行した時の燃料消費量を調べた結果、ふんわり発進が最も燃料消費量が少ないことが分かった。この結果から発進時の操作は、穏やかにアクセルを踏み込んで、「ふんわり」と発進することが推奨される。発進から5つ数えたときにスピードメータが20km/hになることを目安にするとよい。
<巡航>
 速度変動の激しさを変化させて燃料消費量を実車で測定した結果、巡航運転では加減速の少ない運転が良いことが分かった。この結果から以下の操作が推奨される。
 [ 一般道路では ]
 ・走行速度よりも速度変動の抑制を意識して運転する。
      (一定速度で走行することを意識過ぎない)
    ・適度な車間距離で、車の流れに乗りながら走る。
      (アクセル操作での穏やかな速度調節)
 [ 高速道路では ]
    ・急がないときは速度を抑えて走行する。
      (速度を10km/h上げると10%程度燃料を多く消費する)
<減速>
 「惰性走行」への不認識、燃料カットメカニズムへの不認識、などから停止目標直前までアクセルを踏み、直前にブレーキをかけて停車する運転方法が多く見られる。
 減速時は燃料カットメカニズムが働き燃料供給が停止されるため、減速では早めのアクセルオフが推奨される。
 ・走行中の車はアクセルを離してもしばらくは惰性で進むので少ない燃料で走行できる。
 ・坂道などを下るときはエンジンブレーキを活用する。燃料カットが働くことがある。
<停止> 
 車が停止している時はアイドル運転が当たり前になっているが、これはエンジンを停止することに不安がある、無駄に消費されている燃料がどのくらいかを知らないなどが理由であろう。全国を走行して調べた結果、とくに都市部では走行時間中にアイドル期間が43.8%もありアイドルストップをすると13.4%もの燃料削減効果があることが分かった。
 Dレンジでのアイドル時には10分間で250ccもの燃料が無駄に消費されていることが実測されており、アイドリングストップの効果を知ることが必要である。エンジンを切るには勇気が要るが、誰もが確実に節約効果を得ることが出来るため、無理をせずに出来るところで少しずつ試してみることを推奨する。

3.エコドライブ推進の課題
 日本には4省庁からなる「エコドライブ普及・推進アクションプラン」があるが、なかなか進んでいかないのが実態である。推進を図るためには、
 1)ある程度の拘束力がある法制度を整備し、推進の仕組みを強化することが必要。
 2)テクニックから意識へ転換し、推進者およびドライバーの意識の醸成が必要。
 3)状況打開のため、エコドライブ推進予算の確保・捻出の工夫や知恵が必要。
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4.質疑応答
 講演は実車を用いた実測データに基づいたものであったため、非常に説得力のある内容であり認識を新たにすることも多かった。聴講者のほとんどが車を運転する身近な問題だけに、以下の例示するような様々な意見や質問が出され、盛況の内にセミナーは終了した。
 ・エコドライブを自動車免許更新時のカリキュラムに入れるべきではないか。
 ・エコドライブ車、非エコドライブ車が混在する場合ふんわりスタートはやりにくいので、都市版と地方版に分けてはどうか
 ・あるヨーロッパ車販売店では急加速して早く所定の速度にする方が燃費が良くなると薦めているが、どちらが正しいのか?
以上


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2013年07月25日

EVFセミナー「PM2.5の概況と今後の見通し」

セミナー開催日時  平成25年7月25日
セミナーテーマ   PM2.5の概況と今後の見通し
講師        菅田 誠治
          (独)国立環境研究所 地域環境研究センター
             都市大気環境研究室 主任研究員 博士
           筑波大学大学院環境科学研究科連携大学院准教授 
参加者数       34名
講演概要報告

今回は今年の初めにマスコミで取り上げられ話題となった聞きなれない言葉であるPM2.5の高濃度汚染問題についてきちんと理解しようということで第一線でこの問題に取り組んでおられる(独)国立環境研究所  菅田 先生に解説していただいた。
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 ご講演いただいた内容は以下の通り。
1. 大気汚染と気象、大気汚染と気候変動
2. 大気汚染物質の概要
3. 日本の大気汚染の歴史、環境基準、現状
4. 2013年のPM2.5の状況を振り返る
5. 国立環境研究所でのPM2.5への取り組み例
6. 今後の見通し等
   
   以下要点を報告すると
1. 大気汚染と気象、大気汚染と気候変動
大気汚染と気象の違いは大気中に存在する物質とその量に着目して、大気汚染は大気中の組成がppmやppbの物質を扱う。
気候と大気汚染をつなぐ新しい概念としてSLCPs(短寿命気候汚染物質=光化学オキシダント、PM2.5の一部、メタン)があり、大気汚染物質の一部が気候変動にも影響することが分かってきてこれを削減することで地球温暖化を緩和したり大気汚染を抑制できることが着目されている。
2. 大気汚染物質の概要
大気汚染物質(ガス)とは、酸化窒素、オゾン、炭化水素、二酸化硫黄、一酸化炭素、アンモニアなどでこれらが酸性雨やエアロゾルの原因物質で発生源は車船等、工場排煙等、塗料溶剤等、家畜植物等である。
それらの中で粒径2.5μm以下の微小粒子状物質をPM2.5と総称するが、人間の呼吸器系、循環器系への影響があると言われている。
その発生は年、季節、曜日、時間帯、気候などによって変化し、さまざまなデータから推測するが正確につかむことは困難である。
風によって大気中の物質は運ばれるが、気象の複雑さの影響を受ける。風速は上空が大、濃度は地上付近が大であるが、いったん上空に運ばれると素早く運ばれ、地球を一周するような影響もある。
大陸沿岸部から1〜2日で日本へ、大陸内部からは数日で日本に運ばれるが地球一周には1週間程度である。ただし汚染予報の信頼限界は数日である。
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3. 日本の大気汚染の歴史、環境基準、現状
日本の大気汚染問題を振り返って見ると、1950〜60年代の高度成長期には四大公害病等が発生し、ばい煙規制法(1962年)、公害対策基本法(1967年)、大気汚染防止法(1968年)、国立公害研究所設立(1974年)、環境基本法(1993年)とその対策が取られてきているが、1997年にダイオキシン問題、2005年にはアスベスト問題が発生し、2009年にPM2.5環境基準が定められているが2013年にPM2.5問題が発生している。
2009年に定められたPM2.5(微小粒子状物質)の基準は1年平均値が15μg/m3以下、1日平均値が35μg/m3となっている。
大気汚染は常時監視されており全国で約2000局の監視測定所があるが、その内1600局が一般環境大気測定局、残り400局余りが自動車排気ガス測定局である。
環境基準の達成状況だが「平成23年度大気汚染状況について」(環境省 2013/5/16)によれば光化学オキシダントとPM2.5が達成状況の低い2物質だが、PM2.5は達成率は27.6%(一般環境大気測定局)となっている。
4. 2013年のPM2.5の状況を振り返る
西日本4地域(九州、中国、四国、近畿)における日平均PM2.5濃度の平均値&最大値は1/13頃、1/21頃と1/30〜2/1は4地域とも濃度が高かった。
過去2年の同時期との比較では基準値超過率は2013年と2012年はほぼ同程度であった。
今年1月のPM2.5の状況をまとめると、全国の環境基準値超過日数は16日であったこと、西日本で広域的に濃度が上昇し、また、九州西端の離島でも高濃度が観測されたが、過去2年と比較して特に高い濃度ではなかった。観測とシミュレーション結果を総合すると越境大気汚染が影響していた可能性が高いが、大都市圏では越境汚染と都市汚染が重合して濃度が上昇したと考えられる。
2月に環境省Pm2.5専門家会合が開かれ、日平均値が70μg/m3を超えると予想される場合には「注意喚起」が行われることになった。ちなみに今年1〜5月で70μg/m3を超えたのは延べ8日、20地点でこれは過去2年と比べて多くないペースである。
「注意喚起」が出たら個人としてできることは、屋外での長時間の激しい運動や外出を避ける、換気や窓の開閉を最小限にする、高感受性者は、体調に応じてより慎重に行動する、マスクや空気清浄機は性能の確認をしておくことなどである。
さて過去の日本の汚染状況と比べると昭和40年代は浮遊粉塵濃度は約200〜400μg/m3だったがPM2.5だけでは100〜200μg/m3以上だったと推定されます。現在の北京のPM2.5の年平均濃度は70μg/m3程度ですから、ちょうど日本の昭和40年代と同程度と考えられます。
5. 国立環境研究所でのPM2.5への取り組み例
5月末に国立環境研と地方環境研との共同研究で「Pm2.5の短期的/長期的環境基準超過をもたらす汚染機構の解明」の3年間の研究が始まった。
環境省でも環境研究総合推進費 B-1101により「全国の環境研究機関の有機的連携によるPM2.5汚染の実態解明と発生源寄与評価」が3年計画でスタートしている。
国立環境研の所有する大気汚染予測システムVENUSを用いて翌日24時までに大気汚染物質全般の予測計算を行う。
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6. 今後の見通し等
PM2.5と光化学オキシダント(オゾン)は近年重要な大気汚染問題の対象である。
2013年のPM2.5状況は特別なものではなく梅雨と夏を除く季節には越境汚染の影響を強く受けることがあるのが普通である。
以下私見だが、日本の過去の大気汚染状況と中国の現在の汚染状況はほぼ同程度であり、中国は対策を取らざるを得ないので、今後日本への影響が増大するとは考えにくい。

以上は菅田講師のご講演を筆者が要約したものであり、文責は筆者にあることをご了解いただきたい。
−以上−
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2013年06月27日

EVFセミナー「地球に生きる"人口と食料"報告

実施日:2013年6月27日
講師:東京大学大学院農学生命科学科 川島博之 准教授
演題:世界の食糧生産

この何年か、「世界的な食糧危機」や「地球温暖化」が人類を存亡の
危機の淵に追いやる、などの言説が一般の人々やマスコミの間だけ
でなく、科学者の間でも、大きなテーマとなってきました。
「食糧安保対策」とか「地球温暖化対策」が必要だと言われれば、
人々は反射的に「必要なことはやるべきだ」と答えを返すほど
これらの言葉は「意識の高い人々」に心地よく響くものでした。
さて、本日の講師川島先生は、自ら落語家を目指したなどと軽口を
たたきながら、「世界的な食糧危機」の到来など、事実とデータに
そぐわないデマゴーグだとされ、科学的な分析に基づかない
「食糧安保」の政策など意味をなさないと一刀両断にされています。
参加された皆様は、先生の学識に感嘆し、その話術に引き込まれ、
有意義なひと時を過ごすことが出来ました。また、講演後の質疑応答から、
その後の飲み会に至るまで、闊達な議論が展開されたのは言うまでも
ありません以下ご講演の概要を紹介致します。 
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1 日本で語られる食糧危機・食糧安保は世界の非常識?
今やG8の諸国で世界的食糧危機が来るという人など見当たりません。
TPPの問題などで食糧安全保障を絡め議論する日本の立場は世界では
不思議な議論としてみられています。食糧危機の問題は中東地域の一部と、
サブサハラ以南の問題として考えられているのです。

2 世界の食糧供給能力は需要を大きく上回る
1950年以降小麦の単位当たり収穫量は驚異的に伸びました。単位
当たり収穫量は1.5/haから6/haを超える水準になり、米の単位当たり
収穫量も着実に増加しています。これには化学肥料の開発が大きく
貢献しています。穀物の生産をみると、小麦は大きな耕地面積が確保
できる新大陸に主として分布し、コメは旧大陸、とりわけ、アジア大陸の
東の狭い山間の農地に分布しています。アジアでは少ない農地で
多くの人口を支えているのです。小麦は水の少ない地域でも、ほって
おいても育ちます、一方、コメは水を引き丹精して育てなければなりません。
こうした、稲作の環境がアジア地域で、きめ細かい配慮に行き届いた、
協調的なカルチャーを創り出したのです。
小麦は50年も前から供給力が過大です。フランスでは1950年代には
小麦は恒常的に余るようになりました。フランスでは余った麦を牛に
食わせろという主張も台頭する一方、民主化の流れが加速する中で
1960年代には、農民の票をあてにして、補助金を与えても余った麦を
お隣のイギリスに輸出するということになりました。イギリスも黙って
いません。イギリスも対抗して農産物に補助金を付することにしたのです。
ひと時代前のGATTという自由貿易協定はこうした補助金を廃止しよう
という目的で始まったのです。
さて、世界の人口の増加動向に目を向けると、もはや21世紀は人口
爆発の時代でないことは明らかです。先進国における女性の自立が進み、
少子化の傾向は鮮明になってきています。アフリカ以外では人口はすでに、
減少する時代へはいったのです。2050年からはアフリカ以外の国では
人口は減り始め中間的なシナリオでは21世紀の終わりにはピークでも
90億人と見込まれています。一方で、新大陸、とりわけロシアの南部
などには、日本の耕作地の20倍にもの広大な耕地に広がっています。
生産性は低く、やる気になれば3倍に生産力を伸ばすことなど簡単です。
アメリカ大陸にも余剰な農地が広がっています。
こう見ると、需給面では食糧危機などあり得ないのが常識です。
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3 歴史的に見た日本の食料事情と政・官の対応
日本の人口は関ヶ原の時代には1200〜1500万人程度でした。それが、
18世紀になると3000万人くらいまで増加しましたが、その後150年は
増加が止まっています。有機肥料で養える人口はこの程度であったのです。
明治時代には人口は7000万人に増加します。これは、新政府の農林
水産省を筆頭に涙ぐましい品種改良の努力で冷寒地でもコメが収穫
できるようになったためです。それでも不足する分は海外への進出で
埋められたのです。これには国民もこ挙って拍手をしました。第二次世界
大戦後の課題は生活の面では、どうしたら7000万人の人口を食わせるか
ということでした。政治の面では、冷戦が進行する環境下で、如何に安定
した保守層を作るかが課題でした。農地改革も第2次の改革ではとりわけ
この観点が意識されました。小作農家を開放し保守支持層を作り上げる
ことが企図されたのです。コメの生産性は化学肥料の開発導入の寄与
により飛躍的に伸びました。生活水準の上昇とともに肉食志向が強まった
こともあり、10年でコメ余りの状況が始まりました。農林官僚は3方両得を
狙い、大々的に畜産の振興の旗を振りました。日本の農民が豊かになり、
アメリカの農民が飼料の輸出で潤い、官の力の拡大を目指したのです。
食糧の自給率は当然ながら下がります。これは、私たちの生活水準の
向上と反比例します。1億2千の人口を養うには元々無理な国土で、
食糧の自給率が下がるのは避けがたいことなのです。
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4 TPPと農産物の問題
私は、これまで説明してきた世界の食糧需給からして、農産物は過剰な
供給余力を持つ海外から有利に調達するほうが合理的と考えています。
世界の食糧危機などありえないし、食糧の世界的な需給を考えると安全
保障などは笑止の議論だと思います。では、コメも完全自由化に賛成か
というと多少違う意見です。稲作は日本のしなやかで、柔らかい、勤勉な
気質を育み、日本の伝統文化を創り出してきたのです。また稲作により
多くの社会の構造や慣習が何百年の歴史の中で築かれてきたという面も
指摘できます。これに触ると、不必要な摩擦や影響も出るかとも思われます。
方や、米作は産業にも値しない規模です。本音ではアメリカもコメの開放など
どうでもよいと思っているでしょう。コメを除く他の分野はTPPの交渉の中で
自由化を進めるべきだと考えています。

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2013年05月23日

EVFセミナー「激論 太陽光発電は損か得か」

EVF年セミナー(5/23)の概要報告 (伊藤 正昭)

テーマ: 激論「太陽光発電は損か得か」

基調講演 東日本メディコム(株)ソーラーエナジー事業部 課長 嶋弘樹様

導入事例発表 山田和彦様  流田俊一郎様  岩井篤様


*まとめ
EVFセミナー初の試みとして題記テーマに対して、基調講演と導入事例3名による
リレー講演を行った。
基調講演では、太陽光導入に当たっての現職営業マンによる、補助金、買取価格、
購入にあたっての留意点など、分かりやすい話があり、導入事例では3名の方々から、
それぞれの導入動機や実施例、トラブル事例、運転実績、とりわけ償却見通しなど、
真に迫るお話を頂いた。
質疑では聴講者からはもとより、講師陣同士でも質疑が繰り返され、大変な盛り
上がりを見た。
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*内容
基調講演 「現役営業マンが語る太陽光発電システムの現状と今後」 嶋弘樹様
1 太陽光発電の普及割合は
2012年度30万件超、2008年国の補助金復活を受けて急増
  1日に870件が設置される勘定になる。
2 太陽光発電導入の基礎知識
@ 売 電 10kW以下では自家消費後余剰分を売電 10kW以上では
すべて売電
A 系統側停電時 系統への逆流を防止するため基本的には自動停止
B 国の補助金 H25年度住宅用  41万円/kWでは20,000円/kW
50万円/kWでは15,000円/kW 年々減少化機構
C 都県の補助金 東京、埼玉、神奈川など 概ね15,000円/kW
D 電力会社の買取価格 H25年度 38円/kWh 年々低価格化に誘導
E 購入可能場所 住宅メーカー リフォーム業者 専門店 量販店など
F 購入のポイント 相見積も 情報収集(業者 使用実績など) 
G 海外メーカ パネル寿命、会社存続に注意
H 導入目的を明確にする

導入事例発表
1 「太陽光発電システムの導入経緯」山田和彦様
なんとなく興味を持った
  そんな折NPO法人「太陽光発電ネットワーク」が来訪 
導入の具体的手順聞き取り
(最安7年償却 買取価格24年度42円/kWh 補助金計90万円など)
が導入の決め手となった
2 実施例及びトラブル対策 流田俊一様
構造上南西側と北東側屋根に設置した
年間2620kWh(3.16kW 年間稼働率9.5%)と想定
しかし北東側屋根に設置したパネルが反射して北側のマンションに光害が
発生した。やむなくパネルに反射防止版を設置して回避した
*北側に住宅がある場合 北側屋根に設置すると必ず光害をもたらす
3 太陽パネル導入結果について 岩井篤様
3.78kW セル変換効率18.9% 2010年5月19日に稼働開始
発電実績は2010年5,443kWh 2011年93%
2012年107%(2010年対比)
発電電力量は日照時間に比例する
償却年数 想定では10年 実績では7〜8年
太陽光発電設置の効果
*買電が17%減少 環境負荷低減に寄与
*節電意識の高まりにより5000円〜9000円/年の節約 家計に寄与
*生きる目的が出来た 償却完了を見届けたい
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質疑
  1 新築の場合の導入値段は?
    建物建築費か太陽光発電設備費か、境界部の区分によるので一概には
言えない
  2 災害時の保険適用は?
    竜巻でも適用される。適用外は地震、津波、戦争
  3 補助金、買取価格の先行きは?
   補助金は(数年間か?)無くす方向 買取価格も低減の方向
  4 その他
*光害では撤去命令の判例もある
*高買取価格のため投資目的の金融商品化している
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